4.0
面白いですよー(読破済み)
かるーくさくっと隙間時間に読めるので、令嬢ものを最近よく読んでいるんですが、その中ではかなり読み応えがあり面白い。
令嬢もので多いパターンだと、主人公が実は転生者で転生前の経験を活かして活躍するか、やたらポジティブで破天荒な行動が逆に王子に刺さって惚れられるか…みたいな流れが多いですが、本作はどっちでもない。
冷静かつ聡明で、自分の意志をしっかりと持った強い女性。現代にも通じる、憧れられる女性像という感じ。
さらに他の作品とちょっと違うのが王子(今作だと王様ですが)。
よくある王子だと、優秀な婚約者に嫉妬して別の女に現を抜かした挙句フラれて初めて相手の大切さに気づく…もしくは鼻っからベタ惚れの腹黒系か、契約結婚して惚れるはずないと思ってたのに自分に言い寄ってこない感じが逆に気になって惚れるパターンが多く、正直中身がない感じのする男が多いのですが、今作はどれでもなく、ちゃんと「国王」として責任を持っている感じが伝わってくる。
相手の気持ちが理解できてない、読みが甘い部分もあるけれど、毎回ちゃんと落ち着いて自分で考え、感情的になることなく反省して前に進む。
ベルタと考えが合わないところもちゃんと折り合いをつけて、正妃のことも蔑ろにせずできる限り相手を尊重しようとする姿勢が一貫していて好感が持てる。
ライバル役であるところの正妃も単に国王にベタ惚れしているだけのヒステリックな女ではなく、ちゃんと過去や独自の思想を持った上でベルタと敵対していて、敵役なのだけれど憎めない。
世界観や、国家の設定もしっかりしていて、本当に「ベルタ」という王妃の伝記を読んでいるような重厚感。
タイトルだけが本当に残念でマイナス点なのですが、作品の内容は本当に面白いですし、短めで読みやすいので気になった方は無料分だけでも読んでほしい。
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