3.0
祖母の気持ちを思うと…
お弁当を捨てる主人公の気持ちは、よく分からない。最後になって、気持ちが救われるシーンも出て来るが、何も言わずにジッと耐える様に暮らす祖母と、段々と部屋が荒んでいく様子に、心がキリキリと痛んで来ます。こう言う事は、きっと日本中のどこかの家庭で怒っていて、情緒とか情操教育とかを後回しにして来た、日本のツケが回って来てしまった様な、不快感すら感じます。本当の家族、本当の信頼、本当の愛情、全てが試され、見透かされ、そして現実を突きつけられ、逃げられない所まで来て向き合って始めて、生身の人間としての関係が築いていける…そんな作品です。
- 9