5.0
発達障害に教科書などない
レビューを見ていると、発達障害を勉強するための参考に…というかたがいるみたいですが、発達障害を抱えた家族と30年近く生活してきて思うのが障害を抱えた人とのコミュニケーションにマニュアルなどないということです。それは子育てにも通ずると思うのですが、育児書とおりに育てようと思ってもそのとおりに上手く行く人なんていないはずです。障害を抱えた人との生活とはその予想通りに行かないことの連続です。ただ、健常者は当たり前のことが当たり前に出来なくなった経験がないからわからないんです。
だから作者の出来ないこと、そしてその出来ないことを笑いに昇華していることを「開き直りだ」ととらえる人もいるのかなと思います。
本当に障害を理解したいと思ってる方は、是非「障害だから~」とか、「障害を知りたいな」とかそういう概念にとらわれず、何のフィルターにもかけないで沖田さんの作品を読んでみてもらいたいです。
障害を本当に理解するというのは、どうこう意見を述べたり、特別に接することではなくありのままのその人をまずは受け入れることから始まるのではないでしょうか。
発達障害に気付くためにはある程度の知識は勿論必要ですが、私は障害を理解するのに、余計な知識なんて必要ないと思います。
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