4.0
いちいちセリフが切ない
悪徳領主が屋敷に隠していた純粋無垢なひとり娘
悪徳領主を倒すために使用人として入り込んできた革命者
その2人が恋人になり、いざ革命が起きてお嬢様は裏切りを知り、潔く処刑されてやるために悪女を演じて死んでいく…のに死んだ途端に生まれ変わった
お嬢様の記憶を持った孤児は前世の償いのために清貧以下の暮らしを自ら求め、楽しいと思えることはしないようにしている
働き者で「償い」のために生きている孤児の少女は実は周囲からの評価も高く、領主となった革命者の屋敷に使用人として行くことになり、大人になった元恋人に再会する
ホントに、境遇だけじゃなく表情とかセリフがいちいち切ないんだけど
読み進めると少しだけ、切なくするためにわざわざ最悪の状況にしているんじゃないか、避けようと思えば避けられたんじゃないかって思えてしまう
悪徳なのは分かったけど、領主家族は本当に皆殺しに値する罪を犯したのだろうか
(身分剥奪の上、追放の方が貴族的には死ぬよりも辛いとしても)
家族の悪事には加担していないどころか悪事そのものを知らなかったお嬢様は、どうやら周囲の人を虜にする魅力と至極まともな倫理観と優しさとおおらかさを持っていて、お嬢様に真実を伝えて自ら立ち上がってもらい領主の父を引退に追い込むこともできたんじゃないか
本当にとんでもない悪党一家で皆殺しが避けられないとしても
魅力や能力を持ったお嬢様を生かしておいて反乱の種を残すわけにはいかないとしても
じゃあ裏切る予定なの分かってるのに恋人になってしまうなんて酷すぎないか?
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