4.0
うさこの秘密
敵国の竜王に捕獲された兎人が単なる兎として可愛がられつつ、自国に戻るために悪戦苦闘。結局人間として再度保護され、前世のペットショップ店員の知識をいかして獣舎の世話をすることに。
とにかく主人公がかわいい。もふもふ!
表紙の狼もいいこ。もふもふ!
もっと兎姿を見たかった。
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敵国の竜王に捕獲された兎人が単なる兎として可愛がられつつ、自国に戻るために悪戦苦闘。結局人間として再度保護され、前世のペットショップ店員の知識をいかして獣舎の世話をすることに。
とにかく主人公がかわいい。もふもふ!
表紙の狼もいいこ。もふもふ!
もっと兎姿を見たかった。
男勝りなアルナ王女が仮の王妃五人が並び立つ隣国に輿入れすることになり、侍女を王女に仕立てて自らは騎士として謀略に立ち向かう。指南役となった第五王妃は幼く高慢なものの、どこか憎みきれない。同情して第二王妃が用意した故郷の手紙を渡してしまい、第五王妃は密通罪で処刑されることに。嵌めた第二王妃が正式な王妃となることを阻むため、第一王妃に接触してアルナ王女を第二王妃に引き上げてもらう。
女騎士に扮した主人公だが、一人になった際に拐われてしまい打つ手がない。後見人が国王に直談判したが公的な捜索はやはり却下され、私的な援助を受けることに。身柄の引き取り先に向かい、奇策を交えて主人公を救出する。
女王の花の主人公と比べれば、わりと普通な主人公が挫折からどう成長するか。
国王は曲者だが腐敗した国を変える気概はあるらしい。
内乱の最中に鳥になってしまった王女が、伝書鳥になって戦地を飛び回り自軍を勝利に導くのが序盤のお話。鳥になって言葉が通じないのは不便なものの、王家のしがらみを離れて自由に飛び回り、将軍に怒られつつも自ら状況を探り自軍に貢献できる立場は充実していた。長い間行方不明だった王女の身体は敵軍の人質になっていることがわかり、何とか取り戻すものの毒で目を覚まさない。苛立ちから鳥の爪で攻撃してしまい、それを目撃した将軍との間に禍根を残すことに。見回りに出て攻撃され、鳥が瀕死になると今度は王女の身体に戻ったものの、鳥だったことを将軍に言えずぎくしゃくした関係になるのが中盤です。
鳥の間はそのコミカルさとシリアスな戦場がいい具合にブレンドされていたのですが、人間に戻ってからが本当にまだるっこしい。王族の立場を考えれば仕方ないのですが、展開まで遅くなってしまって中だるみ感があります。
よくある悪役令嬢とヒロインの入れ替わりかと思いきや、皇太子は野心に溺れる謀略家で二人の衝突の原因であり、ヒロインの命すら利用するつもりだったという衝撃の展開。Wヒロインというか、公爵令嬢がヒーローというべきか。
お互いの人生も思っていたのとかなり違い、ヒロインは神力の都合で軟禁されて育ち、公爵令嬢は虐待親の関心を引くため猛烈な努力を重ねていた。公爵は残酷で理不尽な人物で、乳母を殺害。それを看取ることになった幼馴染みは罪悪感と忠誠心、恋慕が入り交じる激情を公爵令嬢に抱き、入れ替わったヒロインに厳しく接する。ヒロインも努力するものの地雷を踏み抜いてしまう。とはいえ自分を愛情など微塵もなく使い捨てるつもりだった皇太子を目の当たりにし、公爵令嬢を一途に慕う幼馴染みに憧れのようなものを抱く。どこまでも利己的な公爵に対しては公爵令嬢なら考え付かない方法で逆襲したものの、乱入した皇太子が告白してくる謎の展開。神力に気づいたのか何なのか。
一方ヒロインに入れ替わった公爵令嬢は、入れ替わりの真相を究明するうちに皇太子の謀略で殺されかける。持ち前の剣技を発揮するも、鍛えていないヒロインの身体では厳しく追い詰められる。ある人物の助けで乗り越え、偽装工作を図るがこの時ついた嘘が後に問題になる。
そうこうするうちに王家に破滅の託宣が降りて、 闘争はますます混迷を極めていく。
複雑でシビアな展開ですが、スリル満点で引き込まれます。
自分の立場のためにマッチポンプをやるくらい善悪で言えば悪側の主人公で、正直好みは分かれますが、精霊との冒険は面白いです。
倫理観は冒険者としては珍しくないもののかなりアウトローで、少年漫画の難儀なライバルといった風情。途中から殺害も辞さなくなるので、苦手な人は止めておいた方がいいと思います。倫理面に関しては、仲間と衝突して嫌な展開になります。
一方で綺麗な絵柄で繰り広げられる戦闘や魔法は吸い込まれるような美しさで、主人公が口八丁で窮地を切り抜けたり、格下の悪党を叩きのめすのはある種の爽快感もあります。
総じて絵柄を少女漫画にした少年漫画という印象でした。
婚約者の第二王子を裏切って第五王子と通じ、彼の戴冠まで身命を賭けたものの義妹に奪われた主人公がやり直す話。
第二王子ときちんと付き合い、義妹を従姉妹のまま据え置き、第五王子の策略を潰し、挙動不審な父を精査して悪事を暴き、自らが叙爵されるや皇后が参戦。
そこまできても主人公を毒で蝕んだ黒幕すらわからない。
従姉妹は手癖の悪い小悪党に過ぎず、謀略の中心は第五王子と皇后のようだけど、回帰してても大変な相手。
宮廷劇としてよくできているが、恋愛要素は薄めで絵柄の癖は強いので、そこは好みが分かれるところ。
主人公も苦労してますが、不憫としか言い様のない皇太子。
親子関係は色々と解消して良好に。
主人公は恋愛関係が不得手というか、だいぶひどい対応ですね。相手も拗らせてるし。
病弱でかえって鋼の精神を持ったヒロインが、境遇から嫉妬に狂った悪女と入れ替えられたものの、これ幸いと自由と健康を満喫する物語。
ヒロインは常人と異なる発想で物事を動かす天才で、どんな逆境だろうが活路を見いだす。ぶっとびすぎてて何故悪女はこれに勝とうとしたのかわからないレベル。宮での立場も考えると、敵対心を過剰に煽られ、鉄砲玉にされたのでは。
ヒロインとヒーロー共に複雑な生い立ちで、お互い秘密を抱えながら信頼関係を築き、混乱した領地を復興に導く物語。
絵は端麗で乱れることもなく、設定もよく作り込んでるとは思いますが、いかんせん一話が短い。話の切り方に難があります。
終盤になるまで意味不明なことも多く、主人公もヒーローも理解しがたい。それどころか、実母と実父、末弟に乳母まで理不尽とも言える行動をとる。実母と乳母の悲劇が三姉弟のもつれに繋がり、ディコメンの呪いは開花する。前世の記憶と因果が今の関係にヒビを入れ、周囲も読者も美しい悪魔に振り回される。
そもそも悪魔とは何なのか。
クレチマンとは誰なのか。
断片的に明かされる秘密と苛烈な展開。
義理の息子に至っては結局本心もよくわからない。
それでも読んでしまうのは画力の高さと展開の上手さだろう。
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