5.0
苦しかった日々を解放して
親との確執から逃れられず育った人も少なくないと思います。私もそれが自分の選択肢を狭めたかもしれないし、自分が強ければもっと違ってたかなあとか、今の生活に不満はなくてもたまにモヤモヤしてしまう。
主人公は賢く優しいし、母親は許されて未来を考えることができてハッピーエンドなのにモヤモヤが残るのは、嫉妬なのかもしれません。だけど一方でスッキリもしてるのは、自分を重ねて叶えられなかった過去を擬似的に叶えられたからかも。
この作家さんの作品は後味が悪くないように工夫されていると思います。勧善懲悪にならないし。そこが好みの分かれるところでしょうが、私は好きです。弟の嫁視点のその後も読みたいですね。
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