ソムタム田井のコスプレリポート:「葬送のフリーレン」フリーレン&フェルン 便利な“分解できる杖”を自作
配信日:2024/05/19 6:01
コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、3月23、24日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「AnimeJapan 2024」で撮影、インタビューした「葬送のフリーレン」のフリーレンに扮(ふん)するオバケのQさんと、フェルンに扮するひまさんを紹介する。
同作のコスプレをする上で、衣装やウイッグと同じくらい重要になってくるのが杖(つえ)の造形。ポーズを取るにしても“杖ありき”のものが多いため、制作時にはデザインだけでなく、大きさも忠実に再現することを意識したという。
「イベントの3日前に急きょ、2人で『フリーレン』の併せをしよう……という話になって。そこから急いで杖を制作しました。素材は主に100円ショップで購入できるもので、それらを加工・塗装して、リアルな大きさで作成しています。一番のこだわりポイントは、分解が可能で、持ち運びが便利なようにしている点ですね。柄の部分には分解できるデッキブラシを使っていて。その他にも暗記シート、編み物用の棒針、園芸の支え棒、鍋ぶたの取っ手、ホースなどを使って、こちらの形に仕上げました」(「葬送のフリーレン」フリーレン/オバケのQさん)
「せっかく『フリーレン』のコスプレをするなら、杖もあった方がいいよね……ということで、急ぎで制作したのがこちらの杖になります。短時間で作りはしたものの、貧相なものにはしたくなかったので、造形と大きさにはこだわりました。また、持ち歩くことを考えて軽めの素材にしたことと、持ち運びが楽になるように分割できる仕様にしたところも、私なりのこだわりです。銀の金具の部分で半分に分解できるので、家で保管する際も場所を取らなくて助かっています」(「葬送のフリーレン」フェルン/ひまさん)
小道具制作におけるこだわりに加え、メークでは各キャラクターの色味なども意識して、必要な化粧品を調達。徹底的に研究して、フリーレンとフェルンの顔立ちを再現した。
「メークに関しては、フリーレンは童顔のキャラクターなので、柔らかい印象になるよう工夫しました。チークを丸く入れたり、ウイッグはあえて顎のラインが見えるように調整して、顔が丸く見えるようセットしています。それと眉毛は、白い絵の具と化粧下地を混ぜたお手製の化粧品で仕上げました。絵の具の発色のよさと化粧下地のメークオフのしやすさを兼ねていて、個人的にとても気に入っています」(オバケのQさん)
「いつもは下まつ毛をつけることで、“コスプレしてます”感を強調したメークをしているのですが、今回はできるだけフェルンの素朴な雰囲気を表現したくて、薄めのメークにしてみました。薄いとはいえ、まったくメークをしないわけではないので、ちょうどいいバランスに仕上げるのが難しかったです」(ひまさん)
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB