5.0
セキの物語
このお話の主人公はチガヤですが、私の中では主人公はセキです。
これはセキの成長の物語。
ある意味、最初から完璧なカップルであるチガヤとカルカヤ。その間に割り込むようになってしまったセキの片恋。
愛に飢えて育ったセキは、貪るような愛し方しかできません。
苦しんで、もがいて、受け入れて、乗り越えて、無償の愛にたどり着きます。仏教用語でいう、大我の愛に目覚めます。
あよ編は本物の美とは何かを問うている作品で、チガヤ編は本当の愛とは何かを表現されているように思いました。
草野先生の作品は良い意味で期待を裏切ってくれて、素晴らしいです。稀有な才能を持っておられると思います。
話のターニングポイントに出てくるコンソメスープは、次作にもでて来るのでしょうか…?楽しみです。
最後に、タギシはなよやかな女性ではないかもしれませんが、痛みを知っている、とても心優しい女性だと思います。
今のセキなら大丈夫。ゆっくり愛を育んで、チガヤ達に負けないくらい幸せになってください。
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