5.0
粗野な主人公の純愛
主人公が恋する女性に、若くして亡くなった母親の面影を重ねているのだろうか? その女性に思いを打ち明けることなく、幸せを願い、身を引く姿が切ない。
by
necoねこ
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主人公が恋する女性に、若くして亡くなった母親の面影を重ねているのだろうか? その女性に思いを打ち明けることなく、幸せを願い、身を引く姿が切ない。
からくりサーカスのフェイレスと正反対なキャラクターをした主人公が活躍する漫画。自分に“勇気”を持ってまっすぐと接してくれた女性の幸福を願った男の想いを描いている。
不思議な事件の、遺留品。
それだけでワクワクするし、ロマンがある。
全てを手に入れた男が、唯一手に入れなかったもの。
何かリアルですね。
それに対しては最後まで純粋な思いのままでお金にモノを言わせない所が好感持てました。
短編でも藤田和日郎節は健在!
ダークヒーロー的主人公が愛する女性の為に戦うシンプルな構図にこの話数でここまで話に厚みを持たせる藤田先生は流石です!
ジャンルとしてはダークファンタジーに分類され掲載も青年誌だったそうですが、「うしおととら」や「からくりサーカス」と変わらない熱量!主人公のいけすかないクズ野郎(初めロッケンフィールド警部が主人公と思ってた)という印象から徐々に「あれ、いいやつじゃね?」と変わり、最後には「報われてくれ!」と全力応援してしまう話の持っていき方!
大人で、決して善良な市民とは言えないタイプの主人公が必死に戦うのがいいんです。明日から少しだけ生き方を変えてみようと希望を持たせてくれるんです。
大人の為の少年漫画といったところでしょうか。隠れた名作です。