5.0
オスカルの人間力と史実のコラボ
20年ぶり位に読みましたが、やはり面白くてハマりました。
架空と実在の人物、史実と創作のストーリーを絡ませてこれだけ魅力的に描けるのは本当に凄いと思います。
社会人になってから見ると、オスカルの懐の深さやリーダーシップは感銘を受けますね。ベルナールを逃したところやアラン達と渡り合っていくところ、漫画だとしても尊敬します。
貴族として生まれ、民衆の生活を知らなかったことを恥じ、自ら学び葛藤しながらオスカルも成長していく様は、オスカルがフランス王妃だったら歴史は変わっていたかもしれない、なんて思います。
個人的には、オスカルがフランス衛兵に移った辺りが一番面白いかなと。
アンドレへの想いに目覚めた途端乙女になる描写も、鋭いなと思います。あんな感じになるよね、みたいな。
男性として育てられつつも女性としての自分を否定していたわけではなかったけれど、恋愛についてはブレーキをかけていた青春時代、自分の弱さや無力さを知って初めて支えてくれる存在の重さに気づくという展開も丁寧に描かれていて良かったです。
身分の差が今よりもずっと世の中を支配していた時代、それぞれの恋愛模様には考えさせられるものがあります。
マリー・アントワネットは、最期まで「フランス王妃として誇り高く」と自分で何度も言っていますが、最期まで民衆とわかり合おうとせず、民衆のための政策など何一つ行っていないように見えるのですが、一体彼女にとってフランス王妃とは何だったのか?と思いました。
立場だけのもの?
私がこう思うのは、民主主義の現代に生まれた平民だからでしょうか。
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