本気で怖がれた、あの頃
嗚呼、もう、懐かしさで心が震える。
今では、ホラー漫画を読んでも、本気の本気で怖がることなんて出来ない。
それが出来たのは、子どもだけだ。
だからこの懐かしさは、過去に触れた作品に対する単純な感慨ではなく、永遠に取り戻せない私自身の恐怖に対する感傷でもある。
様々な作者によるオムニバスであるがゆえに、なおさら、ホラー漫画雑誌を夢中で怖がれたあの頃が蘇る。
大人になって、ホラー漫画よりも遥かに恐いものをたくさん知った。
でも、マジでホラー漫画がトップクラスに恐かった時代も、あったのだ。
別にそれをいいとも思わない。
ただ、そんな時代も、あったんだな、と。
その思いは少しだけ、郷愁に似ている。
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4.0