5.0
BLとは青春成長物語である⁉
BLの扉を開いた古の金字塔作品『風と木の詩』もそうだったように、この作品を読むと、BLとは思春期の激しい葛藤と背中合わせの青春成長物語なのだな、と思わせられます。
個人的に、中原君の方の内的葛藤に共感して読みました。苦しくても、血へどが出そうでも、過去の冴えない自分には戻りたくなくて、コンプレックスを隠しながら、精一杯青春を走り抜けていく。そんな思春期の成長と五十嵐君との恋の進展が分かち難く一体となっています。
惜しむらくは、本格的Hシーンが一度もないこと。匂わせ程度で終わります。クライマックスで一度くらいしっかり描いて欲しかったな〜。
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