5.0
逆行して悪女?いや、完璧な淑女になる!
ヒロインの公爵令嬢クラウディアは、異母妹のフェルミナの策略に嵌められて断罪され婚約者の王太子シルヴェスターを横取りされて、娼館送りになる。そこで娼館の先輩のヘレンに優しく手ほどきを受けて、ナンバーワンにまで上り詰める。
大切なことを教えてくれた大好きなヘレンの死を嘆いて神に祈っていたら、14歳頃の母の葬式の日にまでタイムリープしてしまう。
父親の愛人の娘フェルミナは、可愛らしくか弱い見た目だが性悪な悪女でずる賢かった。
二度目の人生では、この異母妹に負けないように努力して賢く上手く立ち回ろう、そして、母と親しかったゆえに追い出された侍女マーサと姉のように慕っていたヘレンを救い出して守り抜こう、更に味方の仲間を増やして自分の地盤を固めよう、と心に誓うのだ。
クラウディアは、前世と違って、我がままをやめて従順に振る舞うことを心がけ、社会情勢や話術を学ぶ、などして、フェルミナを超えてあざとく賢く、しかし性根が優しかったので悪女ではなくて完璧な淑女になっていく。
まずは、元伯爵令嬢で教養高いヘレンを専属侍女として雇って、ヘレンの娼館落ちを阻止することに成功する、など着々と計画を進める。
ところで、本作品のヒーローの王太子シルヴェスターは、実はクラウディアの上を行くしたたかな曲者だった。
王子に手作り刺繍のハンカチを渡した時には、健気さ奥ゆかしさをアピールしようと、指の包帯を見せたりしたが、王子の反応がおかしい。さながら、狐と狸の化かし合い。お互い腹の探り合いをしているが、、、実は善人同士なので相性は良さそうなのだ。
ところで、王太子の護衛騎士で親友のトリスタンや、別の婚約者候補のルイーゼなど、いいキャラの脇役たちが重要な働きをしてくれている。
この後、王太子と両想いになっても゙、裏切られ断罪された前世での心の傷の痛みが記憶に残っていて、クラウディアは素直になれなくて、二人の心が行き違う。王太子のプロポーズを演技だと誤解してしまい、その申し出を断わって後悔をするなど、紆余曲折して、波乱万丈があったりする。
その後、性悪な異母妹はどうなるのか、二人は無事に結ばれるのか、など非常に気になる。また、まだ色々ハプニングが起こりそうだし、先の展開が楽しみだ。
思いのほか壮大でドラマチックな作品でとても面白い♪
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