みんなのレビューと感想「ケーキの切れない非行少年たち」(ネタバレ非表示)(3ページ目)

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  1. 評価:4.000 4.0

    そんなに簡単な問題ではない

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    まだ、触りの部分しか読んでいませんが、じっくり考えながら読みたい話だと思いました。
    最初の少年は衝動性が強いのでADHDですね。
    ADHDに関しては柳家花緑さんの本を読まれるといいかと。
    社会全体で取り組めばと簡単に感想を書く方がいますが、発達障害・軽度知的障害はそんな簡単な問題ではない。
    発達障害はIQが低いだけが障害ではなく、IQは高すぎてもまともな社会生活が送れなくて苦しむ人もいる。オードリー・タンさんはIQが高い故にとても苦労をされたという。
    しかし、発達障害はマイナスにしか働かない訳ではなく、プラスに働けば数々の発明や発見をしたり、研究職、解析など様々な形で社会の中で優位に働くことができたり、特定の才能でスターになれたりもする。
    ASDなんかは記憶力が凄い人が割といるので高学歴が多い。
    そもそも、ほとんどの人に発達障害要素はあって、本人や家族がそれを問題にしなければ無自覚発達障害のまま生涯を終えてしまっている。
    社会全体で取り組む必要ではあるが、じゃあ、あなたは自分と違う、自分よりも劣る人を無条件に受け入れ、全てを理解し、許し、バカにすることなく助けることができますか?
    自分と違う考えを持ち、違うことをする人をイライラせずに受け入れられますか?
    どうしてもできない、理解できないことに苦しんでいる人を嘲ることも怒ることもせず、じっと待つことができますか?
    「普通は」って、言わずにいられますか?
    あなたにとって「普通」は障害を持つ人の普通ではない。
    障害を持つ人の「普通」は他の人と同じようにできないことが「普通」なのだ。
    ほとんどの人が自分の要求を通す為に簡単に「普通は」と言って他の人を従わせようとするが、その「普通」が分からない・できない人がいるということをきちんと理解する必要がある。
    実は左利きは発達障害が多い。そして天才も多い。
    しかし、生まれながらに右脳を使っているので、左脳を使う言語能力が劣る人がいる。
    左利きでも言葉の発達に問題がなければ何とかなったりするが、言葉の発達が遅れてしまうと他の発達が優れていても言語理解が悪いが故にIQが下がる。
    イライラを解消するにも語彙力があるかないかは大きい。性格ももちろんあるが。
    自分の「普通」は他人の「普通」ではない。
    社会全体で取り組めと他人任せでなく、まずは自分からこの問題に取り組んでほしい。

    • 9
  2. 評価:4.000 4.0

    本当に・・・やりきれない

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    児童福祉の仕事をしています。
    この物語にあるように、若くして犯罪を繰り返す人たちの中には、先の見通しが立てられない、知的にも精神的にも幼い者がたくさんいます。それらは、もちろん先天的なものもありますが、そのほとんどが、劣悪な生育環境下で、適切な養育を受けられないことによる経験不足だったり、認知の歪みだったり、PTSDだったりです。
    つまりは負の連鎖です。その連鎖を断ち切るには、ここに出てくる六麦先生のように、じっくり話を聞いて、信じてくれる大人が必要なんだと思います。
    犯罪はいけません。でも、その背景にどんな事情があったのかを汲むことは大事だと思うし、偏見を減らすことに繋がるのではないでしょうか?
    もっと、いろんな人に知ってもらいたい作品だと思いました。

    • 9
  3. 評価:5.000 5.0

    今、社会で問題になっていること

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    今、犯罪を繰り返してしまう「累犯犯罪」というものが問題になっています。近年の研究によって、受刑者のうち累犯者については軽度の知的障害や発達障害を抱えている人が多いことがわかっています。私も大学で少年犯罪を勉強していたので、このマンガはとても気になっていました。

    このマンガはその問題を少年院や少年鑑別所を訪問している精神科医の視点から見つめているものです。少年たちが訓練する事で協調運動ができるようになったり、共感性をもてたりしていくと、応援したくなります。

    このような社会問題を知っていただくために、ぜひ読んでいただけたらなと思います。

    • 8
  4. 評価:5.000 5.0

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    著者の宮口先生は児童精神科以外にも幅広く研究されご活躍されています。

    普通学級に通えるボーダーな知的障害の子供が感じる生き辛さ、大きくなっていくうちに深めていってしまう孤独孤立、社会に受け入れてもらえず自分も受け入れられるキャパが狭い…
    そしてそんな状況で起きてしまう悲しい事件。

    頑張りたくても頑張れない、どう頑張ったら良いかが分からない、どう表現したら良いかが分からなくて犯罪をおこしてしまった子供達が描かれています。
    考えさせられる作品なのでおすすめします。

    • 7
  5. 評価:4.000 4.0

    もっと世の中に広まって欲しい

    こういう障害を持った本人たちが辛いのはもちろんだとは思いますが、
    その本人たちの周りの人間も、理不尽なとばっちりを受けて地獄の苦しみです。特に閉鎖された空間(家庭のような)で、普通の常識が通用しないめちゃくちゃで残酷なイジメを繰り返されると、障害を持っていてかわいそうだなんて思えません。犯罪レベルのことをしてくれれば捕まるでしょうが、捕まらないレベルでやり続けているような気の小さい残酷な同様の人々が世の中にはいて、たくさんの人が地獄のような毎日を送っているのを、なんとかして救えるシステムを作って欲しいです。

    by 匿名希望
    • 8
  6. 評価:4.000 4.0

    問題の切り取り方が良い

    少年院の入院者に軽度知的障碍を持つ者が多いという、問題の原因の一端を踏まえた物語の展開の仕方に納得するお話です。少年院を退院した後のサポート体制など支援の仕方を考えるうえで、この漫画を読む人が増えて一般の理解が深まればその一助になることもあるのではないかと思いました。
    ともあれ、障碍を抱えているだけでも大変なのに更に厳しい家庭環境に晒されて生きざるを得なかった少年の心情を考えると、「罪を憎んで人を憎まず」という言葉の意味がわからないでもないなぁと感じました。

    • 8
  7. 評価:5.000 5.0

    NEW
    日本の暗部だが、紛れもない事実

    教育という社会システムを、本質的に考えさせられる一冊。IQという生まれつきの資質に、教育という磨きが加えられて人格を形成されていくことに異論を唱える者はいないと思う。しかしかしながらそこに、負の家庭環境という要素や教育的ミスマッチが加わると、恐ろしい結果をもたらすことになることを再認識させられる。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    NEW
    色々納得

    「学生時代のあの子は、もしかしてケーキが切れない子だったのかな」なんて思いながら読んでます。


    自分の子が何かが違うと感じたら、親がそれを認めて行動にうつすことが大切なのかなとも。。なんとも難しいことですが。


    考えさせる作品です。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    勉強になる

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    門倉恭子のくだりを読みました。この子、親としてどころか社会の中でやってくの無理だろ、と思いましたが、更生プログラムの助けを経て、ラストでは無事立派なお母さんになってて感動しました。知能指数は低くても、いいお母さんになりたいという強い意志と素直さで、言われた事を頑張って受け入れて実行していったんですね。社会福祉が、助けを必要とする人に対して有効に機能している好例が見られて、とてもスッキリとした気持ちになれました。

    by 匿名希望
    • 6
  10. 評価:4.000 4.0

    NEW
    他人事ではない

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    発達障害について最近は大きく取り上げられたり分析されたりしています。昔は発達障害という病名がなくて総合失調症でした。(違っていたらごめんなさい)知能指数が高くて勉強はできるのに社会性がない人は大人になってから発達障害と診断されます。遺伝なのか環境なのか原因はわかりませんが答えは出ないと想います。当事者でなければ理解できない問題だと思います。

    • 0
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