5.0
最高のヒール、ティリアン!
シリーズ作 「七つの海 七つの空」 における悪役ティリアン。
最終的には主役を喰い、悪役として華々しくも立派な最期を遂げる。
作者自身が 『傾倒した』 と言明してらっしゃる通り、ティリアンさんは最高のヒールとして全世界を魅了した。宝塚歌劇にもなった悪役なんて、そういない。
めちゃくちゃ痺れるしかないお方、それがティリアンさんなのだ。
そんなティリアンさんの悪辣な手段をバンバン使った出世物語が堪能できるのが、本書である。
父に虐げられた少年時代、いずれは母国スペインへ渡り最強の海軍を率いて7つの海を制覇したいという強い夢……。
惹き付けられずにはいられない。
そして、実質はスペイン海軍の戦法などもう古くなってきていた時代に、ティリアンさんほど優秀な人がなぜ、先を読めずにスペインにこだわったのか。
その理由を考えると、もう涙なしには読めなくなってしまう。
とにかく、この人はすごいのだ。
すんげー悪くてすんげー冷たいんだけど、熱い野望を持っていて、時折チラリと垣間見せる情がなんとも優しく切ない。
絶対に関り合いにはなりたくないけど、まじ最高なんである。
(別作で) 最期には負けてるって? んなん関係あるか。
ティリアンさんFOREVER!!!
by
あくあくぅ
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