5.0
気長にゆっくり暖かく見守りたい二人
忍びとしては落ちこぼれ、里で重宝されるのは怪力ぐらい、だけど心優しく謙虚で素直で芯はしっかりしているヒロインのあやめが可愛い。
稀代の天才のヒーローの正真は忍びの里の頭領、無表情で口下手で愛情表現が苦手。
枕指南という体裁から二人は体を重ね結ばれるが、実は二人は両想いだった。あやめは正真にひとめぼれで一途に想い続け、正真も放っておけないドジなあやめを見守り続けていた。
正真の兄もあやめが好きだったため、ずっと固辞してきた頭領の座に就く代わりにあやめを嫁に望んだのだ。だが夫婦となった二人には大きな誤解があった。正真は言葉足らずで、はっきりと好きだ愛してると言えない。あやめは、正真には他に想い人がいると固く思い込んでいる。それでも夫婦の営みはしっかり多く盛り込まれている。正真の愛は表面はクールだけど内なる愛情は重く深く、彼の性愛は情熱的で積極的で執着さえ感じる。そして正真の色気は、精悍な細マッチョな惚れ惚れする体と官能的な動作が相まって、読み手をもうっとり蕩けさせる。
そんな二人は、色んな試練を乗り越えながらも、ゆっくり糸を紡ぐように絆を深めていく。まだ話は途中だが、二人の幸せを気長にゆっくり暖かく見守っていきたいと思う。
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