5.0
友達を想う気持ちとミステリーに惹かれる
60話以上読みましたが、BL濃度は薄めです。一方が恋心を自覚したものの、それを友情にすり替えて、一緒に旅行に行っても素直に楽しいって思えるくらいなので、まだ重症ではない。
純粋で、まだ恋も知らない、少年のような(見た目も)木崎さん。30いってるとは思えない。過去の不幸な事件により車椅子生活。思うように動けない事に加え、自分の過去や未来も憂いて、どうしようもない苛立ちが付きまとっているようだった。
はじめは、ヘルパーさんたちに対する木崎さんの暴君ぶりに、怒りや心配を覚えた。そこに、若いのに寛容で落ちつきのあるヘルパー、槙が表れて流れが変わる。
木崎さんは槙に心を開くようになり、やがて友情を飛び越えて、恋愛感情なのだと気付く。一方の槙も、木崎さんを大事に思っているけれど、家族のことが絡んでくると、もしかして木崎さんを裏切るようなことになるのでは…と思わせるエピソードが点在している。それが、木崎さんの過去の事件に関わっているようなのだが、読んでも読んでもずっとミステリー感が付きまとう。
しかし、60数話目でいよいよ槙の過去のエピソードが展開され、二人の因縁が紐解かれるようだ。
お互いに好きの度合いも意味合いも違うけれど、一緒にいて楽しそうで幸せそうなのに…。
ずっとこのままの二人でいて欲しいと願ってしまうけれど、木崎さんが記憶を取り戻し始めている事、槙の兄が事件を追っている事で、否が応でも話は大きく動いてしまうんだろう。
それでも二人の幸せを祈る。
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