5.0
生きていて欲しかった
アニメを全話見た後、続きを探してたどり着きました。読み始めた時は、無限列車の話を読んでおしまいにしようと思っていたのに、気づけば上弦の鬼が召集されるところまで読み進めてしまっていました。
まさか、炎柱がこんなにも早く死んでしまうとは。
全く想像しておりませんでした。ああ、今度は彼の元で修行するのかと思っていた矢先の襲撃。助かったのだと気を抜いたその隙に攻撃されるとは。そこから始まった命のやり取りには酷く興奮しましたし、永遠に続いて欲しいと願いながら、ずっとページをめくっていました。
誰かを守り、教えを説き、信念を曲げず戦う男の、なんと恰好いいことでしょう。
試合に負けて勝負に勝つという言葉がありますが、自然界において、負けることは死ぬことです。死んでしまった彼はきっと、試合にも勝負にも勝てなかったのでしょう。生き延びた参の鬼は勝っていたのでしょう。それでも、炭治郎が叫んだセリフに同意してしまうのは、私が平和ボケした人間だからでしょうか。勝敗はどうにも覆りませんが、列車に乗り合わせた全ての人と後輩三人を朝まで守り抜いた煉獄杏寿郎という男は、とてもとても強かった。
キャラクターの死というのは、戦いを描く物語の中ではよく起こりうることです。しかし、この漫画の中の死ほどに人物が辿ってきた歴史を感じさせる死は、あまり出会うことがないように思います。
生きていてほしかった。炭治郎達を継子として育て上げて欲しかった。煉獄杏寿郎という男の戦い方を、もっと見せて欲しかった。
そう願いながらも、ここで散った男だからこそここまで願ってしまうのではないかとも思ってしまいます。
ついで登場する柱の宇髄天元もまた、とても格好よい、色男でした。遊郭の中での話も色々と吐き出したいものがありますが、字数が足りません。もう少しめちゃコミさんは増やしてくれてもいいではありませんか。
やたらと長い感想文になってしまいました。興奮のままに書きなぐってしまったので、酷く読みにくいことでしょう。もし読んでくださる方がいるのであれば、こんな長ったらしい感想文を読む時間で、是非本編を読んでいただきたいと思います。
最後に、本誌の方で完結したと聞きました。格好よく、強い人間たちの描く物語の終わりがどのようなものなのか。単行本でそれを読める日がとても楽しみです。
完結おめでとうございます。そして、お疲れ様でした。
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