5.0
ハリウッドで映画化して欲しい
眠り病の感染経路が、近未来であり得そうな方法でリアリティを感じながら読んでいました。
この方の作品は、センスがずば抜けていて描写力も世界観も圧倒されます。話の構成に無駄がなく最後まで読みすすめてしまいました。所々は鬱々としたもの哀しさややるせなさ、迫り来る恐怖と言ったものが渦巻きますが、アダムの明るさに救われます。
主人公のアダムとルネがお互いを理解していくまでが丁寧で分かりやすく違和感がない。しっかりとそれぞれに過去があり、今があるという事がよく分かるようになっています。
※少しネタバレです
人とこすれあって生きていく。ままならなくても。とアダムが言った言葉に私自身も救われた気がします。真っ直ぐで無茶ばかりだけど、人を大切にできるアダムだからこそ、そのひたむきな言葉と行動がルネの止まった時を動かしたんだな、と思いました。
最後は、緻密で重厚な長編小説を読んだあとのような満足感があります。
いつの日かクオリティの高い実写化を期待しています。
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