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1 - 2件目/全2件

  1. 評価:4.000 4.0

    家族ってなんだろう

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    女性漫画ジャンルなんですね。BL的な展開を望む方には肩すかしですが、ジャンルに囚われず幅広い層に読んでもらえていいかも。

    あらすじに「お金を払って~」とあってちょっとひるむと思いますが、金銭のやりとりは食事をおごるおごらない程度の、お互い気を遣わないようにするための形式的なモノなのでご安心を。
    途中から泣きっぱなしで、読了後も余韻でボーッとするような、とても考えさせられるヒューマンストーリーです。

    奈良春樹、30歳。仕事は忙しく、クライアント、上司、同僚、後輩に振り回され、周囲とうまく関係を構築できない要領の悪い自分に落ち込み、心身をすり減らす毎日。
    唯一の癒やしは父親との交流。とはいえ実の親子ではない。灰田克美はひょんなことから知り合った、まったくの他人だ。

    奈良は遠慮がちで、自分の気持ちを表現するのがヘタクソ。真面目でワガママも言えない不器用な性格。上京してからすっかり家族とは疎遠。
    一方灰田も、離婚して以降ひとりで寂しく暮らしていた。妻や娘の気持ちをないがしろにしていたことに後悔を感じている。

    そんなふたりが疑似親子として、お互いを思いやりながら、少しずつ関係を深めていく様子が描かれる。
    動物園、花火大会、クリスマス、初詣。
    奈良が子どものころ、したくでもできなかったことをして、過去をやり直すふたり。

    親だから子だからわかり合える、血がつながっているから思い合えるというのは、あくまで理想。家族ってそんなに簡単じゃない。
    親なのに子なのに好きになれない気持ち、わかり合えない状況は本当に苦しいし、自分を責めてしまう。
    家族と"ふつうに"やれている人にはピンとこない話かもしれないが、そうじゃない人には胸に迫る内容だろう。
    私もこんなパパやママが欲しい。

    ふたりとも本当の家族とはうまく関係が作れず、大きな後悔を抱えながら生きている。でもその経験があるからこそ、今度は間違えないようにとお互いを大切にできた。
    物語は完結してしまっているけど、この関係を築けたふたりが、実の家族との関係を再構築するという続きがぜひ読みたい。
    奈良の妹ちゃんと、出てきてないけど灰田の娘ちゃんに期待したい。

    ふたりとも憂いなく、心から笑って、幸せに暮らしている様子が見たいなぁ。

    • 0
  2. 評価:4.000 4.0

    これで完結と言わずぜひ続編を!

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    BLじゃないかつファンタジー、タッチも変わっていて一瞬別人かと思いましたが、読めばちゃんと雲之助さんでした。

    めちゃコミでは「こっちにおいで」(2013年)から「口福印のお料理男子」(2020年)まで7年空いているように見えますが、紙の出版は
    2012年「恋人アソート」:2012年入荷
    2013年「こころの実」:未入荷
    2015年「まったく君ってばもう」:未入荷
    2015年「トゥインクル・キャンディ」:2021年入荷(本作)
    2019年「口福印のお料理男子」:2020年入荷
    のようですね、ややこしい…。


    主人公は一年前に引っ越してきた大人びた小学生広瀬泉。引っ越しの理由にもなった悩みを抱えている。
    ある日泉は近所の菓子店「エストレーラ」店長の綾人から、元気になってほしい友達に1粒ずつ渡してと不思議な金平糖をもらう。

    1粒目は仲良しの繕(ぜん)へ。
    いつも明るい繕だが、ニコニコしていないといけないと思い込んでいるわけがあって…。

    2粒目は同じクラスの真理菜へ。
    真理菜は仲良しの繕が泉ばかりかまうのが悔しくてつい泉にあたってしまうが…。

    3粒目は綾人の弟清純(せいじゅん)へ。
    高校卒業後は店を手伝うつもりでいた清純は、綾人に反対され悩んでしまい…。

    4粒目は"扉の向こう"から来たマノイへ。
    金平糖を渡せと理由も言わず詰め寄るマノイに切れた泉は…。

    そして最後の5粒目は…。

    真理菜とマノイが若干暴走するけどちゃんと謝れるし、悪人がいない温かい世界です。

    近しい人の悲しさやつらさを知った泉が、自分の考えをまじめに伝える様子は、えらいなーと思いつつ、悩みのせいでこんなに早く大人にならないといけなかったのかとかわいそうになってしまう。
    5粒目でポロポロと泣くシーンはもう抱きしめて背中をトントンしてあげたかった。
    綾人が通りがかってくれてよかったー!

    1粒目で繕は泉に救われ、5粒目では泉が繕に救われるという、ふたりの一方通行じゃない友情がいい。
    泉が繕に金平糖をあげるシーンでは、BLだったらここでふたりは恋心を自覚しちゃうとこだわーとドキドキしちゃいました(笑)

    明かされない謎(金平糖を配るルールや、ルゼと藤一郎、紗夜の関係、清純がまだ金平糖を作れない理由など)があり、ちょっとモヤっとします。
    なので、ぜひ続編、できれば泉の中学生or高校生編希望です!

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