4.0
深海という、特殊環境での恐怖
私は「水深6000mという特殊環境に閉じ込められる恐怖」に興味があって、この漫画を読みました。
主人公のダメ社員ぶりにはイラつきましたが、
3年前の事故の詳細を隠された上、機器の数値異常、原因の分からぬ死亡事故、3年前の生存者の発見や会社の非情な施設の切り捨てなど、見ごたえがあり、
深海という特殊環境に対応した設備の描写などは、もう少し欲しかったけれど、概ね満足しています。
ただ、ホラー目的で読む人には、不満が残るかもしれないと思いました。
太陽に縁のない深海の恐ろしい怪奇現象を、地上の古代宗教(太陽崇拝)に結びつけるのは、無理があると思います。
せっかく、漫画でも珍しい深海を舞台にしているのだから、せめて、例えば深海6000mから更に最深の海底火山の火口に希少鉱物のサンプル採取の為にケーブルを降ろしたら、そのケーブルを伝って正体不明の何かが這い上がってくるとか―深海に縁のある怪奇にしてくれたら、もっと良かった気はしました。
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