5.0
主人公が個性的で良い
中国風の後宮物は、衣装や飾りつけが豪華で好きですが、大抵は皇后や妃ひんが主人公で陰謀と愛憎劇でどろどろしていくものです。でも、こちらは裏方の取りまとめの壬氏と、薬師に育てられた宮仕えの猫猫が主人公なので、事件を外側から解決していくミステリーとして楽しめます。
猫猫、壬氏はもちろん、お妃様方にしても、高順・馬閃親子、薬師、羅漢、さらには犯人についても、ひとひとりのキャラクターや背景が事件を通して語られ描かれて、読んでいる方が愛着を感じてしまいます。原作がしっかりあるからでしょうね。
猫猫と壬氏の関係も少しずつ親しい方へ変わっているようですが、お互いに惹かれてきているけれど、、くらいのもどかしい今くらいの状態で、事態に立ち向かっている方がミステリーを長く楽しめていいかなあ?と、読者のわがままで思っています。
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