5.0
己が正義を貫く話
「正義と悪が戦っているのではなく」
「正義と正義が戦っている」
環境や立場、それ以前にひとりの人間として感じ方や考え方や物事に対する思いが違う時点で正義とは人の数だけあると思っていい。
自分からみたら敵で悪、だがただそんな風に切り捨てるのではなく相手の正義とは何なのかを見極めようとする心と目を持っている少年「にお」の言動を見ていると沢山のことを考えさせられる。
新撰組を題材とした物語は何作品か読んできたが、本当にどの登場人物も魅力がある。だから後の現代に於いても名が知れ渡っているのかもしれないが、もしかしたら「にお」のような人物がいたのかもしれないと思うと少しわくわくする。
力の強さだけではなく、心の強さ、意思の強さ、大切なものを守りたい強さ、そのためになにかを切り捨てて決断をする強さ、におにはそんな強さがある。
しかし、その強さは初めから持っていたわけではない。生い立ちや境遇や大好きな故郷の変化、ただ生きていくために沢山のつらいことを乗り越えなければならなかった…におは強くなるしかなかった。本当はそんなに強くならなくて良かったのにとも思うが、におは立ち上がり進み続ける。その姿が本当に格好いい。人を惹き付ける。
これは101話まで読んだレビュー。
私は芹沢鴨が大好きだ。きっとミブロのみんなも好きなんだよね。好きだからこそつらく、好きだからこそ自分達でなんとかしなければいけないと行動していくんだよね。横柄で自分勝手なんて言葉では収まらない人だけど、人を惹き付ける魅力溢れる芹沢鴨が大好きだ。史実通りなのかはまだわからない。でも、どうか笑って最高の人生だったと思って欲しい。
己が正義の名のもとに信念を貫き通すために辛い決断をしなければいけない時がくるだろう。
「子どもが安心して泣ける世の中」その先に、みんなが笑って過ごせる世界があることを願うよ。太郎・はじめ・にお、そしてミブロのみんなが笑って過ごせる世界があることを願うよ。
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