3.0
厄介ファンってこんな感じなのかな
アイドルを好きな気持ちって、
グッズを眺めて心満たされたり、
握手会などのイベントで、憧れの人に直に会える非日常に酔いしれたり…。
本来ならそれだけで毎日を彩ってくれるものですが、
彼に喜んでもらいたいと思ってプレゼントをあげたら、お礼を言われた!実際着てくれた!
…たしかにこんな特別感ある喜びを知ってしまったら、
ちょっと無理してでもまた次のプレゼントをあげたくなるのかもしれないなと思います。
そして、無理して貢いでいるだけに、他のファンの子より特別な存在だと思ってほしい…
費用捻出のために横領に手を出し、仕事をクビになり、風俗に。
そんな中、じつは美人ファンとは個人的に遊んでいる、
自分の事は内心気持ち悪いと思われていて、バカにされていたと知って、
我にかえると、自分は彼に貢ぐために全て失っていて…
価値観や倫理観の稚拙さはともかくとして、暴走する気持ちは理解出来るなと思いました。
同じ作者さんの他の作品と比べると、
どんでん返しの展開も出世する楽しさも煌びやかさも無くて、
最後までタイトルから想像できる話の枠に収まっていて、
少し物足りなく感じてしまいました。
でも、一見狂気にしか見えない厄介オタの気持ちの変遷が見えるような気がして、
なるほどなぁと感じさせてくれるお話でした。
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