5.0
無理解との闘い
強いストレスの連続が発症の一因となる繊維筋痛症になるほどヨシ君のお母さんを追い詰めたのは、無理解な周囲でしょう。周囲が無理解なのは何故でしょう?
生きづらさを抱える人の身になって考えることが、この国の社会制度には欠けているからに他ならないと思います。
いま私は生活困窮者の自立センターに係わっていますが、いわゆる知的ボーダーの成人の社会復帰に寄与する社会資源の少なさには頭を悩ます日々を送っています。
それでも発達障害が広く認知されるようになった昨今は、ほんの少しは環境改善されて行きそうな希望を見出し始めています。
ヨシ君の小学校の教頭や5年生になって替わった担任、ヨシ君の母親の心配に取り合わない医者等、いちばん苦しい思いをしている親子に寄り添えない教育機関や医療機関には憤りを禁じ得ないですし、障害の程度が軽いと言ってヨシ君親子を除け者にする障害児学級の保護者は、外からは見えにくい障害者間の差別を見せていますが、このコミックを多くの人が読んで、ヨシ君やヨシ君のお母さんの辛さを我が身に引き寄せて考えるきっかけになると良いと思います。
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