5.0
カタルシス
最初からグイグイ惹き込まれてイッキ読み、まるで1本の映画を見たよう。
登場人物それぞれの、自分の存在を認めてくれるヒトへの執着が鍵になっている。
新藤のそれが中心ではあるが、近松の宮本に対するものとそれを命がけで注視する瀬尾もとても良い。
もんでんあきこ先生の卓越した画力もあってか、登場人物がすべて魅力的。
特に周囲を巻き込んでいく雪人の眼ぢから。
悲しいこともたくさん起こるが、それぞれのエピソードがあるべきところにストンと収まってカタルシスを迎える。
ヤクザや暴力が嫌いな方にはおすすめはしないし、美化しようとも思わないが、それを上回る雪人はじめ登場人物が語る大切なことを多くの人に読んで見て欲しいと思う。
しばらくは宮本ロスかなあ。
- 276