3.0
溶けてしまった角砂糖のように
学生時代に四年間、ボランティアサークルで養護学校に遊びに行ったり、障害者さんとお泊まり会をしたり、スペシャルオリンピックスのサポートやったりしていて、あの頃はムーちゃん親子のような母子がとても身近に居ました。
それから15年、3人の子供を育ててる今、障害者さんの知り合いが居ません。
町中でお見かけするけれど言葉を交わすこともなく、あまり見ても不躾に思われるかなと目を伏せてしまうのが現状です。
確かにあるのに溶けてしまった角砂糖のように、とか、健常の世界とか、隔てる川とか、
私たちの世界と障害者の世界がうまく一つにならない様を、何度も何度も表現しながら、障害を持つ子供の家庭のことを伝えてくれています。
ムーちゃんは可愛く、絵が穏やかでまるでふつうの暮らしのように、少女漫画の延長のように、でも全く違う様相の日々。
チックや夜驚、べんで遊ぶムーちゃんの姿でさえ可愛らしく描かれ、その壮絶さを緩和しながら紡がれる障害者の世界。
すぐそこにありますよ、
私たちは同じ空の下ですよ。
また、世界があいまみえるように、
その時に驚きすぎないように。
ムーちゃん親子の物語を読みたいなと思います。
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