萌葱桜さんの投稿一覧

レビュアーランキング 4475位

作品レビュー
投稿 7件 / いいね獲得 203件
話コメント
投稿 0件 / いいね獲得 0件
評価5 レビュー 3件
評価4 レビュー 3件
評価3 レビュー 1件
評価2 レビュー 0件
評価1 レビュー 0件
  • お役立ち順
  • 全ての内容
  • ★4だけ見る
並び順
ネタバレ
その他条件
評価
検索条件変更変更しないで閉じる

1 - 3件目/全3件

  1. 評価:4.000 4.0

    完成度の高い良作

    ネタバレ レビューを表示する

    キャラクターの極限状態の心理とかその移り変わりなんかもしっかりと描かれていて、画力も高い。
    ストーリーが元々pixivに掲載されたものの様なので少しちぐはぐ感はありますが、本筋がしっかり考え込まれているので根幹が揺らぐ事はないので安心感のある作品でした。

    優美子はサイコパスというのとは少し違うのかなぁと。
    ●人衝動は特に無くて、寧ろ殺●に特に抵抗がない、手段としての暴力、という所なのかなぁと。
    美しいものが好きでもぎ取ってでも欲しい子で、雅彦の内面から溢れる「自分の持てるもの」で精一杯生きて輝く様は彼女の中でも美しく思えたんでしょう。

    そこまでは普通の少女の持つ普通の感覚で、

    そこから、
    普通なら好かれる努力をしたり、自分がついていく事を考えたり、そういう手段に移行する筈が、

    蝶の羽をもぐ様に、最初に手足を奪い自由を奪い、自分の意図する所を汲み取る様に「躾ける」。

    それは両親からの溺愛という虐待から来たものだ、そして両親は暴力や権力で思いを遂げる人達だ。

    という説明があるんですが、

    ここいらへんの心理作用が個人的にはもう一味欲しいかなぁ…という印象でした。

    しっかり作り込まれている話なだけにどうしてもここの部分の軽さが目立ったかな?と思います。

    最後の部分、恐らくは女刑事さんだと思うんですが、
    あんな不穏なバットエンドでいいの⁈と聞きたくなるくらい衝撃的でした。
    病室でに最後のシーンで優美子の幻影が舞い戻って来た。
    それを迎え入れ受け入れて、

    そこから7年間、恵さんをずっと優美子として見てるんじゃないのか?

    「恵」という名前に変えただけで…みたいな脳内変換が行われてるんじゃないのか?

    子供の事も全部優美子との出来事として捉えてるんじゃないのか?

    さつきちゃんや優美子の両親が雅彦を責める度、彼の精神は「優美子」の元へ向かい、見えない形でどんどん深み深みへ堕ちて行ってるんじゃないのか?

    …望遠鏡の名前が書き換えられていない…。

    いつの間にか現実の方が「鈍色プラネタリウム」になってるんじゃないのか?


    という意味なのだと思いました。

    そういう含みを残した一見ハッピーに見えるバッドエンド…

    本当の狂気は今まだ続いている…

    そこは読者に委ねますという所なのだと思います。
    とても奥深い作品でした。良作です。

    • 39
  2. 評価:4.000 4.0

    単純に

    ネタバレ レビューを表示する

    単純に病床記録として大変に興味深い。

    それだけでもこの作品の価値は大変に高いと思う。

    心肺停止から蘇生、意識回復までの過程、そこからの容体変化も幻覚等の症状も本人が絵描きで、
    視覚感覚に優れていたからこそ覚えていられたのだろうと思うし、表現が出来たのだと思う。

    他レビューでこの作者の個人的人格を理由に作品の価値を決めてる方がいたけれど、

    この作品だけを読んで感じた事は、もしこの作者が心底最低の人間であったならば、
    多分、この作品の中の医師の言葉通り、
    見舞客も途絶え、家族にも見捨てられたのではないかと思う。

    この人が絵描きである事に必死でしがみついていたのは、
    遠ざけたいと望む周りに追い詰められた部分も多いにあったのだろうなぁと思えた。

    もう無理です描けませんと言えば、ほれ見た事かと言われてしまう。

    その恐怖は大きかったのだろうと想像がつく。
    言うなれば、ブラック企業勤めと同じでしょう。

    そこら辺の自分語りはあまりせず、病床からの前向きになって行く過程の方を大事に描いていると思うし、

    もっと暗く絶望した瞬間もあったのでしょうが、そういう部分は伏せている事も感じられる。

    作品としてもキチンと読み物として成立してるので、作者のプロ意識と良識を感じます。

    作者に対してどう思うかは多分人それぞれなのでしょうが、
    勝手な振る舞いで命を落としかけた作者を支えたたくさん人々が、恐らくはその正しい答えなのだと思います。

    少し短い気がして、不完全燃焼な部分はありますが、とにかく興味深い作品でした。

    • 8
  3. 評価:4.000 4.0

    久しぶりに読んでみた。

    随分昔に読んだ漫画で、久しぶりにこの二人の独特の愛情の世界を覗き見たくて購入しました。

    きっとこの話を読んで感じるのは、
    ラブラブカップルと自分が一緒に同じ空間にいるような疎外感(笑)

    この二人の関係はあまりに独特で二人にしかわからない何かで満たされたお話。

    そういう意味でもこのタイトルは正しくこの漫画の内容を示していると思います。

    愛情の形は千差万別。
    組み合わせと人の数の通りの形はあるけれど、
    恐らくこの二人の形はマイノリティな部類に属する。

    メインの立花菊の心情を表現されてすら、全面的に共感する事はあまり無いかもしれない。

    相手の常盤も複雑な考え方の持ち主でその思想に賛同する事は難しい人の方が大半だと思う。

    でも恋愛感情だけは一般のそれと変わらない。
    好きだという気持ち、倦怠期で揺れ動く心情、会えない寂しさや苛立ち、相手がいないとポッカリ空く穴。


    パターンとしては二人の独特の考え方に振り回されて振り回されて、結局は普通の人が持つ普通のネットリとした恋愛感情というオチにホッとして終わる…という感じ。

    人の恋愛事についてあまり興味が持てませんってタイプの人には面白く無いかもしれない。

    恋愛を楽しむだけでなく、そこに伴う周りとの関係性や、
    それとの兼ね合い、そういう事も含めてお話を読みたい人にはオススメです。

    • 6
全ての内容:★★★★☆ 1 - 3件目/全3件

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています