rokaさんの投稿一覧

レビュアーランキング 1位

作品レビュー
投稿 722件 / いいね獲得 18,890件
話コメント
投稿 0件 / いいね獲得 0件
  • 新しい順
  • 全ての内容
  • ★3だけ見る
並び順
ネタバレ
その他条件
評価
検索条件変更変更しないで閉じる

1 - 10件目/全147件

  1. 評価:3.000 3.0

    結婚なんてララーラーララララーラー

    簡単に言うと、結婚を促進するための国の政策として、公務員が業務として「結婚」の相手をやる、という話。
    例えば、あなたが結婚する気になれない男性だったとして、役所に申請すると、国があなたのところに「妻役」の女性を派遣する。
    その人との一年間(一年間ですよ!)の生活を通じて、あなたが「結婚っていいなあ、よし、俺も結婚しよう」と思えれば、ミッション成功、ということで。

    もう、どこから突っ込んでいいのか、書いていて何か嫌になってきたが、いくら何でも設定に無理があるだろ。
    国の狙いが浅はかすぎるのは当然として、特に致命的なのは一件の依頼につき一年間、という期限である。
    公務員の人生を何だと思っているんだ。
    いくら公僕と言ったって酷である。
    これは完全に設定ミスで、せめてこれが三か月とかだったなら、少しは印象も変わったかと思う。

    ただまあ、結婚に絶望しているような漫画が世に溢れる中で、結婚というもののポジティブな面を描こうとした、その心意気や、よし。
    ただ、この漫画で描かれる「結婚の素晴らしさ」というのは、あまりに浅薄である。
    結婚なんて、それ自体は別に、素晴らしいものでも何でもない。
    結婚は、ただの社会制度、システムだ。
    システムが本当の意味で人を幸せにしてくれるわけがない。
    そして、比喩的に言えば、結婚なんて、ギャンブルだ。
    ギャンブルだから、勝つこともあれば、負けることもある。
    賭けるのは金だけではなく、人生というチップである。
    「結婚しない方が幸せだった」という人だって当然いる。
    それでも、「結婚してよかった」と思えたとしたら、結局のところ、運を含めてあなたのおかげであり、あなたが勝ったからだ。
    別に「結婚」があなたを幸せにしてくれたわけじゃない。
    結婚に夢があるのではなく、ずっと一緒に生きてゆくことが夢になるような誰かがいてくれることが、素晴らしいのではなかろうか。
    私は、そう思うけどね。

    • 0
  2. 評価:3.000 3.0

    本質的に再現不可能

    私は以前から雨穴さんのYouTubeが好きで、結構見ていた。
    テレビとも映画とも違う、新しい時代の映像表現として、感嘆と敬意を持って視聴していた。
    YouTubeという媒体にはネガティブな側面もあるが、こういう才能が出てくるのも、時代だな、と。

    ただそれは、やはり「ああいう表現方法」であるからこその魅力であって、話を単体でそのまま漫画のフォーマットに落とし込んでも、あの独特の吸引力を再現することは到底出来ない。
    もちろん、そんなことはわかっていて読んだわけだ。
    だから、本質的に再現不可能な映像表現に、漫画という媒体でどう挑み、どう勝負するのか。
    漫画は漫画として、漫画にしか出来ない「何か」が絶対にあるから。
    それが、私の焦点だった。

    本作に漫画としての大きな瑕疵があるわけではない。
    丁寧なタッチには好感も持った。
    だが、残念ながら想定を超えるような何かは何もなかったし、これだったら雨穴さんのYouTubeを見ていれば十分だろ、という以上の感想は沸かなかった。

    • 0
  3. 評価:3.000 3.0

    醜いものを醜く

    就活に失敗した、いたってノーマルな(まあ結果的にはノーマルじゃなかった、という話なんだろうけど)青年が、裏社会と繋がりのある会社に入社したことで、徐々に悪の道に手を染めていく、みたいな話。

    話の進みはテンポよく、それなりに楽しくは読んだ。
    しかし、根本のところで、私は説得力もリアリティーも感じられなかった。

    ひとつは、主人公の変貌について。
    本作は、「普通の人間が裏社会の闇に触れて堕ちていく」という文脈で主人公の変化を描いているのではなくて、「主人公にはもともとそういう資質があった」という描き方をしている。
    それは「転落」というより「覚醒」に近い。
    それ自体は別にいいのだが、こいつにその「資質」がある、ということを、私はどうしても信じられなかった。
    「普通の人間」が根元的なレベルの価値観を変動させてゆく様を描くのは、とても難しい。
    だからこそ、そこがこういう作品の勝負どころだと思うのだが、「いや、こいつもともと悪の素質あってん」というのは、都合のいい逃げのように見えてしまった。

    また、裏社会のディテールについても、何かと浅い気がして仕方がなかった。
    もちろん、私を含めた読者の多くは、裏社会のことなんか実際には知らない。
    漫画だから脚色も必要だろう。
    しかし、少なくとも「こういうこと実際にあるんだろうな、知らんけど」と思わせるだけのリアリティーは欲しいし、それが満たされているとは思えなかった。

    個人的には、一番決定的に入り込めなかったのは、「醜いものをちゃんと醜く描いていない」と感じたことだった。
    これは単なるの印象の問題だし、上手く言えない。
    ただ、作品の中で醜いものをちゃんと描くというのは、結構勇気の要ることだと私は思っていて、本作はそこから逃げているように感じた次第である。
    まあそのぶん、エネルギーを使わずに気楽に読める、というのはある。
    それをこの種の作品の美点として数えられるかは、何とも言えないのだけれど。

    • 2
  4. 評価:3.000 3.0

    並んで、向き合って

    ネタバレ レビューを表示する

    あまりに頻繁に広告が流れてきて、「ねえ、何で妻は口をきいてくれないのかな!?何でかな!?」と夫に泣きつかれているような気分になり、「うるせえなあ、読んでやるよ」と読み始めた。
    そして一度読み始めると、さすがに謎、というか疑問が解けるまでは読んじゃうじゃんか。
    似たような読者は多かろう。
    とにかく読ませれば勝ち、という商売と考えるならば、まあ、成功なんじゃないの。
    読んだ私の負けである。

    話の前半(というか大半)は夫の視点で進むので、「なぜ妻が」の疑問とそれに対するストレスを読者は夫と共有することになるのだが、正直「いや、お前が気づいてないだけで妻の側にはずっと不満があって、何かのきっかけで糸が切れたんだろ、どうせ」という予想とも呼べない考えはずっとあり、実際そのとおりの内容なので、話としては別に面白くも何ともない。
    まあ、現実的にはこんなもんだろう。

    ちょっと評価したのは、夫と妻の視点、双方を描くことで、「気づかない」夫の愚かさがわかりやすく描かれている点。
    夫の見ている世界と妻の見ている世界は違うのよ、と。
    こういうケースの典型だが、男って本当にね、馬鹿よね。
    (ちなみに私は男性である。)

    あと、これは本質的には作品に対する評価とは無関係だが、私はこの漫画の夫も妻も嫌いである。
    夫については言うまでもない、シチュエーションだけ見れば同情したくなるが、馬鹿すぎる。
    妻については、何であれ、無視はいけないと私は思う。
    それをやるなら別れなきゃ駄目だ。
    別れないなら向き合うべきだ。
    別れるか、向き合うかだ。

    私は私なりに、何年か夫という立場をやってみて、今つくづく思うのだが、夫婦は、本質的には「向き合う」相手ではないと思う。
    横に並んで、歩んでいく、抽象的な言い方になるが、お互いを見るのではなく、二人で並んで、何かを見る。
    二人で見るその景色が、世界が、あまりずれていないならば、多分、わりに上手くいっている夫婦なのだろう。
    (この漫画の夫婦はそれがずれまくっている。)
    ただ、向き合わないといけない瞬間というのは、どこかで来る。
    そういうときに、逃げちゃいけないんじゃないかな。
    少なくとも、一度は愛した相手ならばね。

    • 24
  5. 評価:3.000 3.0

    不運

    気づいたら身体にガチャがついていた、という主人公のバトルギャグ漫画。

    丁寧だし、新しいし、ある部分「ガチャの時代」である現代にマッチしているし、いい完成度のギャグ漫画だとは思うのだけれど、何故だか全く入り込めなかった。
    変な言い方だが、面白いはずなのに、笑えなかった。
    こういうのはもう、我々の出会いが不運だったと言う以外にない。
    特にギャグ漫画はたまにこういうことがあるからマジで困る。

    仮に私がギャグ漫画の作者だったとしたら、「いい漫画だけどイマイチ笑えない」と言われるより、「マジで下らないけど笑える」と言われる方が、百倍嬉しいだろうな、というような不毛なことだけを、私は考えていた。

    私と作品の出会いというガチャは、外れたのだ。
    うーん、あんまり上手いこと言えてねえな、今の。

    • 4
  6. 評価:3.000 3.0

    スプラッターというアイデンティティー

    昔懐かしのホラー漫画。
    表題作の「白い病気」を読んだが、心理的な恐怖ではなく、思わず目を背けたくなるような生理的な恐怖描写、要するにスプラッター的な表現にはなかなか見るべきところがあって、感心した。
    これがこの作家のアイデンティティーかと思う。
    こんなのが少年少女の読むホラー漫画雑誌に普通に載っていたのだから、長閑な時代だったのだろう。

    しかし、ホラーとして見た場合はグダグダというか滅茶苦茶で、私は関東の人間だが、思わず「何でやねん」と呟いた。
    完全にギャグだろ、こんなもん。
    まあ、それを含めてホラー漫画という文化なのだとも思うのだけれど。

    • 2
  7. 評価:3.000 3.0

    途上で

    本当に申し訳ないが、評価は半ば保留みたいなもので、私は途中20話くらいでドロップアウトした。

    もっと先まで読めば面白くなるのかもしれない、という感じもしないではなかったが、そこまで耐えられないくらい、私にとっては道中があまりに退屈だった。

    昔からそうなのだが、「長いこと辛いのを我慢すれば達成感がある」みたいなことが、私は苦手だ。
    だから山登りとか大嫌いだ。
    (山登りは別にそういうものじゃない、という意見もあるのは認めるけれど、私にとってはそういうものでしかない。)

    「途中はともかく」じゃなくて、途中が楽しくなきゃ駄目だろ、と思ってしまう。
    だって人生なんて、ほとんど「途中」なんじゃないの。
    知らんけど。

    この道中を退屈せずに進める人には良作なのだろうが、そこにほとんど何の魅力も見出だせなかった私には、頂上の見えない山登りのようで、苦痛でしかなかった。

    • 8
  8. 評価:3.000 3.0

    幼さを描くこと、稚拙であること

    タイトルから思いっきり「スタンド・バイ・ミー」なわけだが、パクリでは全くなく、オマージュというか、この作者なりの「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした、という意図はわかる。
    それ自体は、嫌いではなかった。

    ただ、そうであるならば、どんな形であれ、ある種のノスタルジーを感じさせる作風にしてほしかったが、そこは成功しているとは言い難いと思う。
    これは絵柄のせいもある気がするし、「現代っ子」を全面に押し出し過ぎたせいもある気がする。
    が、決定的なのは、表現の稚拙さだ。
    当たり前だが、「幼い子どもを描く」ということと、「子どもを稚拙に描く」ということは、まるで別の話だ。

    私は映画「スタンド・バイ・ミー」が好きだし、スティーブン・キングの原作も読んだ。
    思えば、スティーブン・キングほど「子どもを描く」ことに秀でた作家をほとんど知らない。
    子どもの世界は確かに狭く小さいかもしれないけれど、決して浅くはないし、子どもは子どもとして地獄を抱えているのだ。
    何より、作品の中で子どもを描くことにおいて、子どもをなめない、ということ以上に大切なことはほとんどないと思う。
    そういう全て、キングは徹底しているし、この作品には明確に欠落している。

    まあ、スティーブン・キングと比べるのは酷だと言われればそうなのだが、言わせてもらえば、「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした以上、そのくらいの覚悟はしとけ、と思う。

    • 6
  9. 評価:3.000 3.0

    清く正しくグロテスク

    ネタバレ レビューを表示する

    面白かった。
    いい意味で、頭を空っぽにして楽しめた。
    さながら、サイコ野郎の見本市。

    昨今、「サイコパス」という言葉を誤用した上にそれを売りにする漫画が多いことに辟易していたが、そういう鬱陶しい漫画とは、全く違った。

    なぜ、昨今の「サイコパスもどき」漫画がウザいのか。
    それは、現実のサイコパスについての知識を持たないままに、あくまで「現実枠」の中で、「こんな異常者、現実にいるかもしれないよね、怖いですよね」と下手なアピールをしてくるからだ。
    それをやりたいなら、ちゃんと勉強しなさい。

    本作は、違う。
    数々の異常者たちを、ハナから「現実枠」の中で描こうとしていない。
    つまり、ある種のリアリティーを始めから捨てた上で、あくまでフィクションとして「現実にいるわけねえ奴ら」をハイテンションで描ききることに集中している。
    実に適切にグロテスクなエンターテイメントであり、好感度は高かった。

    しかし、残念ながら、露骨な打ち切りである。
    漫画って大変だなあ、結構面白かったのになあ。
    終盤、おそらく打ち切りが決まったあたりでは、素人目にもわかるくらい作品のテンションが落ちていて、そのぶん、評価は厳しめになってしまった。

    あと、別にいいけど、絵柄が「ジャガーン」の人に似てない?

    • 2
  10. 評価:3.000 3.0

    漫画の表現として

    ラヴクラフトの話と、チェーホフの話を読んだ。

    文学に対する愛着やリスペクトが感じられて、好感度は高かった。
    だが、特にチェーホフの話ではそれが顕著なのだが、あまりに活字に頼りすぎている。
    既に小説という媒体でもって描かれている作品であるわけで、それを「わざわざ」漫画にする以上、そこには何かしらの「漫画にした意義」が必要だと思うのだが、それをあまり見出だせなかった。

    ちなみにだが、ラヴクラフトに関しては、この時代から「そのオチ」があったのか、と驚いた。
    これ、誰が最初に思いついたんだろう。
    ラヴクラフトなのかなあ?

    • 2
全ての内容:★★★☆☆ 1 - 10件目/全147件

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています