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作品レビュー
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241 - 250件目/全499件

  1. 評価:3.000 3.0

    今となっては

    子どもの頃は、夢中でアニメを観ていた。
    ウォーズマンが一番好きで、でも子どもだから、ストーリーに流されて、やっぱり心のどこかでは主人公を応援しちゃうじゃんか。
    だから、キン肉マンvsウォーズマンとか、もうどういう気持ちでいたらいいかわからなくて、マジでハラハラドキドキできた。

    が、原作の方は未読で、この度、初めて読んだ。
    正直なところ、読まなくてもよかったし、読まない方がよかったかもしれない、とすら思った。
    残念だ。

    いくら子ども向けとはいえ、さすがにバトル漫画としては破綻しすぎている。
    こういう比較はフェアでないかもしれないが、例えば、ついこの前読み返した「幽遊白書」のバトルシーンと比べると、雲泥の差である。
    「子どもの頃だけ面白かった」漫画と、「今でも面白い」漫画の差異が、果たして「レベルの差」なのか、それとも「種類の違い」なのか、私にはイマイチ判断できない。
    ただ、いずれにせよ「キン肉マン」は、私にとっては、今となっては「残念な漫画」という以上の何物でもなかった。

    まあ、このあたりは、時代、という問題もあるのだろう。
    かつて少年漫画は、今よりもずっとずっと、「少年」だけのものだったわけだから。

    ただまあ、これだけたくさんの魅力的なキャラクターを生み出したことは、確かにすごいと思う。
    思うけど、思い出の補正をもってしても、これ以上の評価は出来ない。

    • 1
  2. 評価:5.000 5.0

    憂鬱なるサバイバー

    事故や災害だけではなく、虐待などの過酷な経験を生き延びた人のことも「サバイバー」と呼ぶそうだ。
    本作の主人公である雪はそんなサバイバーであり、彼女代行のバイトで収入を得ている。

    ときどき思うのだが、単純明快な正義や勇気や夢や希望に生きる主人公がヒーローやヒロインになるには、現代はいささか複雑になりすぎたような気がする。
    そして、私たちはいささか「知りすぎた」ような気がする。
    それは例えば、正義の名の下に行使される独善的な暴力や、叶えられた一握りの夢の輝きに隠れて散ってゆく者たちの末路や、希望という仮面を被った悪辣なビジネスや、そういう何やかやだ。
    そういう有象無象の悪意や欺瞞に対して、私たちは賢くなりすぎたし、疑うことを覚えすぎた。

    そんな時代にあって、いったいどんな人間が、フィクションのヒーロー/ヒロインになり得るのか。
    その答えのひとつが、意志と哲学ではないかと私は思う。
    世間の常識や道徳や慣習とは関係なく、自分の明確なルールがあり、何があろうとそれを守る。
    「闇金ウシジマ君」はそういう種類の現代のヒーローだと思うし、全く別の漫画だけれど、私には、本作の雪とウシジマ君がだぶって見えた。
    そういう意味で、彼女は、まさに現代漫画のヒロインだと思う。

    特に最初のエピソードには、彼女の生き方が凝縮されていて、その強さと悲しさに、激しく胸を打たれた。

    雪は、夢も希望も信じていない。
    そして何より、愛を信じていない。
    彼女が本当に信じているのは、金だけだ。

    しかし、こういう言い方は本当に傲慢で嫌なのだけれど、それは、間違いだ、と私は思う。

    私がそんなふうに思えるのは、きっと、雪のようなサバイバーになる必要がない、甘く幸運な人生を歩んでこられたからなのだろう。
    まあ、それは認める。
    認めるが、思うのだ。
    全てを疑っても、愛だと信じたものが愛ではなかった、という経験を何度重ねても、愛が消える瞬間をこの目で見ても、それでも、愛だけは疑っちゃいけない、と。
    それが、私の哲学だ。

    生き延びることに、価値はある。
    でも、生き延びた先にあったものが金だけだったなら、「生き延びてよかった」なんて、思えるだろうか。

    だから、私はいつか、雪が愛を信じられる日が来ることを願って、この漫画を読み続ける。
    強く、冷たい、この憂鬱なるサバイバーが、いつの日か、愛を知ることを夢見て。

    • 23
  3. 評価:2.000 2.0

    中立のようで、違う

    死_刑囚との面会を基にして描かれた漫画。

    メディアで報道される凶悪犯たちのイメージと、実際に会って話してみた彼らの実像のズレ、みたいなものが、テーマのひとつになっていると思う。
    ある部分、報道によって勝手に犯罪者のイメージを作り上げてしまうマスコミや、それを鵜呑みにする社会に対する警鐘にもなっていて(正解にはなろうとしていて)、自分の目で確かめるまでは、中立であろう、という意志は、評価されるべきかもしれない。

    しかし、実際、この漫画が中立であるかと言えば、違う。

    淡々としたタッチだが、このスタンスの作品ならば、もっと淡々とすべきだと私は思う。
    もっと冷徹に事実を見つめようとすべきだと思う。
    少なくとも、「出会った死_刑囚の中に悪人はいなかった」という作者の弁には、私は拭えない違和感を持った。
    何をもって悪とするか、という難しい話は抜きにしても、それはかなりの部分、作者の「印象」と、「本当の悪人などいないのだ」というような信条に裏打ちされたものではないか、と疑ったからだ。

    確かに、彼らは別に、人間の域を逸脱したモンスターではないのだろう。
    マスコミの報道が煽るのより、ずっと「普通の」人間なのだろう。
    しかし、その「普通の」人間が、どこでどう一線を越えるのか。
    それを、感情も印象も抜きにして、正確さと緻密さだけをもって語るのが、こういう作品の役目ではなかろうか。

    私はそう思うから、この作品も、おそらく作者が嫌悪するであろう上滑りのマスコミとそう変わらない、たちの悪いプロパガンダ程度にしか感じられなかった。

    • 4
  4. 評価:3.000 3.0

    出発点と着地点

    「童貞あるある」みたいなネタを軸にした下らないトーンのギャグ漫画なのだが、作品の出発点としては、結構、志の高い漫画だったんじゃないかと思う。
    それは例えば、時代性をとらえたブラックユーモアとか、固定観念に対するアンチテーゼとか、社会の風潮に対して一石を投じるとか、そういうことだ。

    ただ、志を持って飛んではみたものの、作品としての着地点を上手く見つけられなかったような気がする。
    全く別のジャンルだが、「多重人格探偵サイコ」という漫画が陥った事態に似ていると思った。
    その志や、よし。
    だが、行く先は、と。

    別の道もあり得たと思うのだが、どうにも平凡なラブコメに帰着してしまった印象が拭えず、残念であった。

    • 1
  5. 評価:3.000 3.0

    作品と背景と

    鬼に魂を売って生き延びることを選んだ少年の物語。
    「幽★遊★白書」+「寄生獣」、というと、まあまあわかりやすいかと思う。

    決して退屈したわけではないが、登場人物の感情表現はいささか紋切り型で、特にモノローグについては、稚拙、という印象が拭えなかった。

    巻末の文章で、作者の親友が集団暴行によって命を落としたことが、本作の着想のきっかけになったことを知った。
    作者がこの作品にどんな思いを込めたのかも知った。
    だが、この点に関しては、私は作品の評価からは完全に除外した。

    作品とその背景というのは難しい問題だが、その背景でもって作品に対する評価を極端に変えることを、私は自分に許可していない。
    例えば、ミュージシャンがクスリをやっていることが判明してその曲を聴かなくなるとか、そういうのが私は嫌いだ。
    作品は、作品だ。
    どんな聖人君子が崇高な決意のもとに描いた漫画だろうが、どんなクズ野郎が適当に描いた漫画だろうが、作品は作品として純粋に評価すべきだ、というのが私の考え方である。

    この漫画が生まれたバックグラウンドには、なるほど、悲劇的なドラマや悲壮な決意があったのかもしれない。
    しかし、突き詰めればそれは、どんな作品にだって、あり得る。
    私たちがそれを知らないだけで。
    例えば、とことん下らないギャグ漫画を描いている作者の秘めた決意など、私たちが知る機会は基本的にない。

    作者が作品の背景を語ることを、否定はしない。
    仮に私がこの作者と同じ立場だったなら、やはり、書いたのではないかとも思う。
    しかし、思うのだ。
    本当に語りたいことは、作品の中で語るのが、作者の本分ではなかろうか。
    その意味で、この漫画がそれほど雄弁なものになり得ているとは、私には思えなかった。

    • 27
  6. 評価:3.000 3.0

    読み物として

    都市伝説や心霊現象などの怪異を、編集部が調査する、という設定の漫画。

    レポート形式で、実際の怪異の題材となった(真偽はともかく)写真が作中に添付されていたりする。
    漫画として面白かったかと言われれば、正直、そうではないのだが、読み物の表現の形としては、アリかな、とは思った。

    まあ、眉唾ものの話が多く、胡散臭いことこの上ないけれど。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    ざわつく心の空の色

    説明不能の「心がざわつく」思春期コミック、というのが売り文句だが、このコピーは完璧だと思う。

    漫画の表現として、圧倒的に斬新だ。
    この唯一無二ぶりは、突出している。
    本作と似ている漫画を読んだことがない。
    というか、きっと、無理なのだ。
    例えば、「ドラゴンボール」や「スラムダンク」や「ジョジョの奇妙な冒険」を真似することは出来ても(そのクオリティーは別にして)、この漫画を真似することは、多分、出来ない。
    それほどまでに、突き抜けたオリジナリティーである。

    そして本作は、おそらく私が読んだ全ての漫画の中で、最も説明が困難な作品でもある。
    「どんな漫画なのか」と問われても、私は、答えられない。
    また、「読んでどんな気持ちになったか」と問われても、答えられない。

    悲しみとも、苛立ちとも、怒りとも、切なさとも、歯がゆさとも、違う気がする。
    それでいて、その全てがあるような気もする。
    敢えて言うなら、まさに「心がざわつく」ということになるかと思う。

    もしかしたらそのざわつきは、決して言葉に出来ない想いに囚われながら我々が過ごした、思春期という時代そのものの影なのかもしれない。
    私たちがこの作品の中に見るのは、かつて自らが抱いていた、名前も行き場もない、若い想いの欠片なのかもしれない。
    そういう意味では、これほど克明に「あの時代」を描いた漫画というのは、他にないのではないかと思う。

    そういえば、「あの頃」に私たちが眺めていた心の空は、白にも黒にも染まらないまま、何となく、灰色だったような気がする。

    • 5
  8. 評価:3.000 3.0

    松原タニシの生き方

    私は、松原タニシという芸人が全く好きではないし、申し訳ないが、面白いと思ったこともない。
    怪談の語り手としても、例えば同じ芸人の中山功太なんかと比べると、というか、比べる気にもならない。

    しかし、「事故物件住みます芸人」というポジションは、すごいと思う。
    そんなこと、なかなか出来るものではない。
    繰り返し、こういう言い方は申し訳ないけれど、自分が芸人として、大して面白くもなく、売りもないことを自覚して、それでも、「売れない芸人」から何とか抜け出すための必死の試みとして今のポジションを築いたのかと思うと、ちょっと胸が熱くなる。

    だから私は、松原タニシが語る怪談が本当だろうが嘘だろうが、どうでもいい。
    事故物件に住み続けている時点で、どんなほら話だって吹いていいくらいの権利はあると思うのだ。

    ただまあ、これが漫画として面白いかとなると、それはまた、別の話である。

    • 3
  9. 評価:2.000 2.0

    料理漫画の位置

    私が一番好きな料理漫画は「鉄鍋のジャン」という作品で、その影響からか、料理漫画、というのは、現実ではなかなか食べられなかったり、ちょっとあり得なかったりする料理を、魅力的に、しかも現実に十分ありそうに描いて、読者を唸らせるものなんだ、と思っていた。
    古い話だと、「ミスター味っ子」だってそうだった。

    だから、蕎麦屋のカツ丼とか回転寿司とか、我々庶民が日常の中で普通に食べられる食事を、まあ、言ってみれば「普通に」野原ひろしが食べるのを眺める、という漫画の何が面白いのか、私にはイマイチわからなかった。

    • 2
  10. 評価:3.000 3.0

    漫画と年齢

    輪廻転生モノの異世界ファンタジー。

    決して魅力のない漫画だとは思わなかったけれど、絵も、ストーリーも、信じられないくらい頭に入ってこなかった。
    ちょっと申し訳なくなるくらいに。
    例えば三島由紀夫を読んで脱落する中学生のような感じで、私は早々にリタイアしてしまった。

    二十年前なら、違っていたかもしれない。
    残念ながら、この漫画を楽しむには、私は歳をとりすぎたのかもしれない。

    • 4
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