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作品レビュー
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11 - 18件目/全18件

  1. 評価:1.000 1.0

    マニラの夕日が響かない

    今から五十年くらい前には、ロボトミー手術は精神科において普通に行われていた。
    脳に深刻なダメージを与える危険性が後にわかり、禁止された。

    こんな話がある。
    ある有能なスポーツライターの男が、妹夫婦と口論になって家具を壊して逮捕され、精神病質と診断されて、ロボトミー手術を受ける。
    結果、男は記事が書けなくなり、後遺症に悩まされる人生を送る。
    あるとき、世界的に名高いマニラの夕日を見て、自分の心に何の感動も湧かないことに愕然とした男は、自分がもはや人間ではないと絶望し、ロボトミー手術の問題点を知らしめるために、自分を手術した精神科医を殺そうとして、結果的に、その妻と母親を殺害する。

    私の知る中で、最も絶望的で悲劇的なエピソードのひとつである。
    何も、感じない。
    これほど恐ろしいことが他にあるだろうか。
    誇張抜きで、男は死_刑に処されるよりも残酷な運命を辿ったと思う。
    それをもたらしたのが、ロボトミー手術だ。

    私は、漫画に倫理も道徳も求めていない。
    闇金ウシジマくんをヒーローと考えるような人間である。
    しかし、仮にも「医療」の名のもとに、相手がどんな人間であれ、一方的に「クズ」と断じてロボトミー手術で人格を壊して解決を図るような主人公は、見ていて胸が悪くなった。

    これが「超能力」なら、まだ許せたかもしれない。
    SF漫画の悪役の行為なら、流せただろう。
    だが、ロボトミー手術は、多くの犠牲の上に禁じられた、医療の歴史における人類最悪の過ちのひとつだ。
    それをいとも軽々しく行使する人間を主人公とするような作品は、私はどうしても受け入れられなかった。

    • 67
  2. 評価:1.000 1.0

    お前は、負けたのだ

    ネタバレ レビューを表示する

    まず、復讐、というほどの復讐は、できていないです。
    むしろ、復讐は失敗した、という方が適切かと思われる。
    まあ、タイトルも「復讐することにした」であって「復讐した」ではないから、偽りとは言わないけど…普通、復讐したんだ、と思うだろうよ。
    実体験に基づく、だからなのかもしれないが、スカッとするような復讐劇を期待すると肩透かしを喰らうので、ご注意を。

    妻の不倫の現場に踏み込んだはいいが、相手の男に金がないから慰謝料は取れない、離婚しても親権は妻に取られる。
    まあ、現実はこんなもんだろうな。
    特に解せないのはラストで、子ども二人をろくでもない妻に取られつつ、「あの子たちなら大丈夫」って…何の根拠があるのか知らないが、無理に自分を納得させるような綺麗事には閉口した。
    大丈夫じゃねえよ。

    夫婦の別れに、勝ちも負けもないかもしれない。
    でも、主人公である夫に対して、私は思った。
    お前は、負けたのだ、と。
    妻に、というわけではない。
    強いて言うなら、二人とも負けたのだ、ということになるのかもしれない。
    しかし、いずれにせよ、お前は、負けたのだ。
    それを認めないでいるのは、何か、潔くないと思う。

    その妻を選んだという選択も含めて、自分が失敗したのだ、と認めないことには、本当に終わることも、始まることも、難しい気がするのだが。

    いずれにしても、わざわざ漫画という作品で読む価値を、私は全く感じなかった。
    これなら、ネットの掲示板に転がっている妻や夫の不倫の顛末の方が、不謹慎だが、よほど面白いものが多い。

    • 29
  3. 評価:1.000 1.0

    勝手にしやがれ

    恋に落ちるのは簡単だが、愛を続けてゆくには努力が要る、と思う。

    その努力が出来ない、したくない、というならば別れるべきだ。
    別れないなら努力をすべきだ。
    どちらかだ。
    結婚は維持する、でも努力はしたくない、いい大人が、阿呆か。
    成績を上げたい、でも勉強はしたくない、という子どもと同じ、というか、それ以下だ。
    腐った根性で家庭にいながら子どもを育てているぶんだけ、大人の方が罪は重い。

    そんな、無責任を超越したような阿呆だから、「離婚してもいいですか?」なんてふざけたことを言う。
    勝手にしやがれってんだ。
    「はい、いいですよー」って誰に言ってほしいんだ。
    それすら誰かに決めてほしいのか。
    自分の人生の全て、誰かのせいにしたいのか。
    まったく、タイトルからして最低だと思う。
    だったら読まなきゃいいじゃないかって?
    そのとおりだ、私が間違っていた。

    だいたい、どういう読者にどういう感情を起こさせることを意図した漫画なのか。
    「あーわかる、うちの夫もこんな感じ、ほんと、離婚したいよねー」という読者の反応を期待しているのか?
    それを考えると、つくづく気持ちが悪い。
    虫酸が走る。
    漫画を読んでこれほど気分が悪くなったことは、多分ない。

    エッセイ風の描き方だが、どうもフィクションらしい。
    だったらなおさらタチが悪い。
    これがエッセイなら愚かなだけだが、フィクションなら、そこに愚かな読者を釣ろうとするあざとさが加わるからだ。
    そんな商売は、ほとんど邪悪と言ってもいいと思う。

    やだやだ。
    もう忘れよう、この漫画のことは。

    • 65
  4. 評価:1.000 1.0

    承認欲求・表現の稚拙さ

    承認欲求は、私にもある。
    例えば、仕事で認められたい。
    例えば、妻にカッコいいと思ってほしい。
    それは「リアル」での話じゃん、というならば、ネット上の話でもいい。
    例えば、このサイトで自分のレビューに「参考になった」が入れば、嬉しい。
    それは、SNS(私はやらないが)での承認欲求と、本質的にはさして変わらないと思う。

    ネット上での承認欲求は、無自覚に生まれやすいし、手軽に自分を偽れるぶんだけ、歪んだり、現実と乖離していく怖さがあるし、程度によっては現代の病の一種だろうから、上手く描けば面白いテーマだと思う。

    ところが、この漫画はびっくりするほど面白くない。
    理由は色々あるけれど、ひとつには、あまりに表現が稚拙すぎる。
    絵の上手い・下手については触れないが、要するに、登場人物の感情をモロに文字で書く以上の表現が、この漫画には何もない。
    小学生の作文じゃあるまいし、例えば漫画の主人公が「俺は今、嬉しいぞ!」とか「うおー!悲しいぜ!」とかしか言わなかったら、そんなもの、もはや表現とは呼べない。

    • 158
  5. 評価:1.000 1.0

    恥を知れ

    一話目(五話の怪談が語られる)だけ読んだが、うち三話は知っている話だった。
    ネットの怪談サイトからそのまま拾った話だったのだ(残る二話も怪しい)。
    何だそりゃ。
    いくら元手がかからないといっても、ネット上の書き込みをそのまま漫画に転用するなんて、商売としてあまりに卑しいと思う。

    • 6
  6. 評価:1.000 1.0

    気分が悪い

    善人が破滅しようが子どもが犠牲になろうが首が飛ぼうが内臓が散ろうが、大抵の内容は「漫画の中のこと」として許容できるつもりだったが、これは駄目だ、気持ち悪すぎる。
    直接的な描写や囚人たちの造形の話ではない(だったらもっと気持ち悪い漫画は腐るほどある)。
    こんな形で子どもという存在を「使って」しまえる製作者サイドの神経が、気持ち悪いのだ。
    申し訳ないが、そこまでして漫画にしがみつきたいのか?と嫌味のひとつでも言いたくなる。

    • 38
  7. 評価:1.000 1.0

    「お約束」の限度

    ホラーには色々と「お約束」がある。
    なぜか逃げ場がないところに逃げ込む、
    車で逃げようとするとなぜかエンジンがかからない、
    「すぐ戻る」と言ってなぜか怪しい物音を確かめに行く、エトセトラ。
    そういう全てにいちいち突っ込んでいたらきりがないから、観る側も暗黙の了解として許すのが「お約束」なのだ。
    しかし、観客・読者が許せる「お約束」にも限度があるのだということが、この漫画を読むとよくわかる。

    • 22
  8. 評価:1.000 1.0

    これは漫画だから

    漫画なので、やはり、「絵」と無関係には評価できない。
    絵の上手い・下手を語れる立場に私はいないが、どう考えても作品に「合う絵・合わない絵」は、ある。
    そういう意味で、申し訳ないが、致命的だと思う。
    この絵柄のおかげでホラー味がちょうどいい具合に緩和されて…なんてフォローはする気にならない。
    例えば、青山剛昌の絵で「スラムダンク」は成立しない。
    鳥山明の絵で「闇金ウシジマ君」は成立しない。
    荒木飛呂彦の絵で「名探偵コナン」は…嗚呼…ちょっと読みたい。

    • 19
全ての内容:★☆☆☆☆ 11 - 18件目/全18件

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