独占有名人インタビュー:横澤夏子「少女漫画が人生の台本です」(めちゃコミック10周年企画)

更新日:2017/04/14 10:00

独占有名人インタビュー:横澤夏子「少女漫画が人生の台本です」(めちゃコミック10周年企画)

“女子のあるあるネタ”で、大ブレイクを果たしたピン芸人の横澤夏子さん。お馴染みの“イタい女の言動”を鋭く観察するだけではなく、料理、バレエ、婚活、恋愛話…などなど、自分磨きにも余念がない横澤さん。その女子力の源は、少女漫画にあるようです!

横澤夏子

横澤夏子

少女漫画にどっぷり自己投影

――普段どれくらい漫画を読みますか?

昔から、自分で買うよりも友達が薦めてくれる漫画を借りて読むことが多いです。自分で買うときはほとんど電子ですね。最初に試し読みができるし、私の性格に合っているんですよね。誰かのオススメだとすんなり読めるけど、そうでないときはちょっと読んで、自分の好きな系統かどうか判断します。

――横澤さんの好きな系統というのは?

少女漫画、恋愛漫画が大っっ好きなんですよ。しかも、舞台設定とかがリアルだと最高ですね。現実世界のどこかでありそう、どこかの田舎で起こりそうな恋愛物語というか。「砂時計」 (芦原妃名子/小学館) は、もろそんな感じなのでずっと好きで、思春期の頃、学校で友達とワーキャー言い合っていました。リアリティがあると、より感情移入できるので、読んでいるだけで自分が実際に恋している感覚になるんですよ。

「砂時計」1巻表紙

「砂時計」1巻表紙

砂時計
© 芦原妃名子/小学館

――特にどんなキャラに感情移入しますか?

完全にヒロインになりきります。恋愛漫画って必ず恋のライバルや意地悪な女が出てくるんですけど、もう悔しくて悔しくて(ヒロインになりきっているので)……「こいつをどうにかして打ち負かしたい!」とか「主人公、優しすぎるんだよなあ…」ってヤキモキしながら読んでます。

――恋愛モノのパターンとして、メインの男女が、くっついて、離れて、寄り道して、最終的に元サヤに戻る、という展開がありますね。

ずっと私のことを好きでいてくれる状態が好きなんですよ。思わず“私”って言っちゃったんですけど、ヒロインのことです(笑)。一度離れたり、なんだかんだあったとしても、結局私のことが好きなんじゃんみたいな。でも、少女漫画によくある、くっついたり離れたりが、すっごくムカつくんですよね!

「なんで好き同士なのに一緒にいないの? そういうまどろっこしいのやめてよ!もう!」

って言いながら、いそいそと次の巻を手に取るみたいな(笑)。

横澤夏子

横澤夏子

――深く感情移入して読むからこそのヤキモキなのでしょうか。

ヒロインの心情、変化や成長していく部分とか、「え、私なんでこの子の感情全部わかっちゃうの?」というくらい入り込んで読むので、私もその経験をしたかのように、自分の中に構築されるんですよ。けっこう無意識なので、現実と漫画がごっちゃになるときがあります。

――「砂時計」では、ヒロインの植草杏(うえくさ あん)は、北村大悟(きたむら だいご)と月島藤(つきしま ふじ)の二人の間で揺れ動く時期がありましたね。

部活中の大悟を見つめる杏

部活中の大悟を見つめる杏

砂時計
© 芦原妃名子/小学館

結局、杏が大悟をずっと好きなように、私もやっぱり大悟なのかなー。ずっと好きでいてくれる藤くんなら、絶対幸せにしてくれるのに!と思いつつ、やっぱり自分が一番好きな人を好きでいたい…。でも、少女漫画に登場する藤くん的な、ヒロインのことが好きなんだけど報われないキャラって切なくてグッとくるんですよね。だって、私(ヒロイン)が泣いていたり寂しいときに、絶妙なタイミングで現れて、「全部わかってるよ」「俺はお前のことをずっと好きだから」みたいなこと言うじゃないですか。

藤(ふじ)くんと杏(あん)

藤くんと杏

砂時計
© 芦原妃名子/小学館

あと、「砂時計」 (芦原妃名子/小学館) は、12歳から26歳くらいまでの物語で、メインの4人のつながりも描かれていて、こんな青春いいなって憧れていました。やっぱり昔からの友達って、大人になってから「あんなことあったね」ってみんなで思い出せるから良いですよね。私はそんな青春じゃなかったんですけど、たまに自分のことように人に喋っていて、「あれ?この話なんだっけ? あ、砂時計だ(笑)」みたいなことがあります。

――入り込んで読みすぎて、まわりで本当にあったこととして、自分の中に染み込んでいくんですね。実際の横澤さんの青春時代はどんなものでしたか?

小・中・高と、ずっと生徒会長をやっていて、リーダーシップをガンガン取っていくタイプだったので、「アイツ、また前に出てきやがってよ」って男子に疎まれるような女子でした。でも、女子扱いされていなかった子が恋愛沙汰に巻き込まれていくような少女漫画もあるじゃないですか。ふとした瞬間に、単なる友達関係だった男子が私(ヒロイン)に対して「あれ、コイツ……(いいじゃん)」ってなったり、そういう“最初は友達スタート設定”にも憧れていたので、そんな状況にならないかなーっていつもソワソワしてました。

横澤夏子

横澤夏子

  • 砂時計
  • 植草杏、12歳。両親の離婚を機に母親の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーが無いと感じた杏。だが、近所に住む大悟と知り合い、徐々に自分の居場所を見つけるのだった。しかし、彼女を支える母親が仕事中に倒れて…!?

つらいけど「風早くん」はいない

――他にはどんな少女漫画を参考にしていましたか?

君に届け」 (椎名軽穂/集英社) です。主人公の黒沼爽子(くろぬま さわこ)は、黒髪ぱっつんの地味で目立たない女子なんですけど、爽やかイケメンの風早翔太(かぜはや しょうた)くんと付き合うので、すごく羨ましかったですね。男子から好かれるには、やっぱり大人しい女子が良いのかなと思って、ガンガン行く時期を経て、大人しくしている時期もありました。当時、風早くんが好きで好きすぎて、プリクラで画面に「風早くーん」って呼びかけるような文字を書いて撮ってました。風早くんがいつか現れないかなーって(笑)。

下校時、笑顔で別れる風早と爽子

下校時、笑顔で別れる風早と爽子

君に届け
© 椎名軽穂/集英社

――学生生活の中で、風早くん的な男子は現れましたか?

応援団長をやったり、スポーツ系の部活でキャプテンをやっているようなキラキラした素敵な男子はたくさんいました。でも、“風早くん”はいないんですよね…。何回も女子の間で議論していたんですけど、風早くんが現実の世界にいると思ったら大間違いなんだと。

でも、放課後たまたま男子と二人で残って勉強することになったときに、教室に夕陽が入ってくる感じ、人気のない校舎とか、「あ、少女漫画っぽいシチュエーションだ!」と勝手にドキドキしてました。

――漫画へのアンテナの張り方というか、感度の高さが面白いですね。芸人としてのネタにも活かされている部分はあるのでしょうか。

そうですね。幼い頃からずっと読んでいる少女漫画の世界からインスピレーションを受けているところもあります。漫画の中の話だし…で終わらないで、本当にそんなことがあったらいいなって思う方が楽しいですよね。少女漫画的なことが本当に好きだから、現実でもそういう素敵なことが起こってほしいし、起こしたいんです。

横澤夏子

横澤夏子

――実生活ではどんな少女漫画的な出来事がありましたか?

高校時代にお付き合いしていた彼と、学校から一緒に帰るとき、もちろん二人とも制服で、ちょっとハニカミながら…みたいな感じのシチュエーションはありましたね。そのときしかできないことだったし、少女漫画っぽいキラキラした思い出として心に残っています。別に何の理由もなく、海辺で二人座っていたりもしました(笑)。

体育祭のサッカーの試合シーン

体育祭のサッカーの試合シーン

君に届け
© 椎名軽穂/集英社

このシーン、いいですよね!

君に届け」 (椎名軽穂/集英社) の爽子が、たまにおだんごヘアのときがあって、それがすごく可愛くて私もおだんこにした時期があったんですけど、顔デカイし、髪がまだ足りなくておだんごも小さくて、お正月の鏡餅みたいでした。

  • 君に届け
  • 陰気な見た目のせいで怖がられたり謝られたりしちゃう爽子。爽子に分けへだてなく接してくれる風早に憧れている。風早の言葉をきっかけに変わっていけるみたい…。夏休み前、爽子は肝試しでお化け役をやることに!?
杏の願いが込められた絵馬

杏の願いが込められた絵馬

砂時計
© 芦原妃名子/小学館

これは「砂時計」 (芦原妃名子/小学館) のシーンですけど、私これ最近やりました(笑)。

昔も今も少女漫画のまんまな生活なんですよ。真似事かもしれないんですけど、昔から深く生活に根付いていたので、自然とそういう風に動いてしまっているのかも。私にとって少女漫画は、人生や恋愛の台本なんだと思います。私好みのシーンだけを集めた、妄想だらけの少女漫画をいつか作りたいですね。

お互いの顔が接近する双葉と洸

お互いの顔が接近する双葉と洸

アオハライド
© 咲坂伊緒/集英社

あと、これも!

パンサーの菅さんに薦められてイッキ読みした「アオハライド」 (咲坂伊緒/集英社) の最高にキュンキュンするシーンです。ヒロインの吉岡双葉(よしおか ふたば)と馬渕洸(まぶち こう)が、机に頭を置いてダラーンとしているんですけど、不意にくるって向き合ったら、お互いの顔がめっちゃ近くにあるっていう。

菅さんに、ここ良かったですって報告したら、その場で再現してみることになって。実際にやってみると、菅さんロン毛だし、二人とも同じような髪型だから、すごく奇妙な感じで、向き合ったとき「顔でけーな」って言われました(笑)。

横澤夏子

横澤夏子

  • アオハライド
  • 高1の双葉には中学時代から忘れられない初恋の人、「田中くん」がいる。中学のとき女子に、はぶられた経験から自分を偽って日々過ごしている。「田中くん」を思わせる男子に出会うが、彼は――。熱く青く一生懸命にぶつかりあう高校生活グラフィティ!

何気ないときのプロポーズがいい

――芸人仲間とも漫画の貸し借りをよくされるんですか?

菅さんが少女漫画好きなので、話のタネにしたり、恋愛話とかもよくしますよ。もちろん女子同士も恋愛話が多くて、やっぱりキュンキュンする話が一番盛り上がるんですよね。少女漫画には全部そういうのが入っていて、私はそれを全部やりたいんです。

――どんな恋愛話で盛り上がっているんですか?

ヘリに乗せてもらってプロポーズされたとか、クルージングデートをしたとか、彼氏からこんなサプライズされたとか、女子ってあとあと友達に恋愛ネタを話せるのがすごく幸せなんですよ。結婚した友達も、旦那さんがお皿を洗ってくれて幸せって、ノロケてきますからね。だから、男性への恋愛アドバイスをするとしたら、相手の子が友達に自慢できるようなネタを撒けば良いと思います!

――将来、横澤さんはどんなプロポーズをされたいですか?

例えば、ファミレスで唐揚げかハンバーグにするか私が迷っているときに、彼氏が「どうするの?」って聞いてきて、私「じゃあハンバーグ!」、彼「いや、違うよ。結婚のことだよ」みたいな(笑)。普段の何気ないタイミングでさらっと言われたら、もうタマらんですね。

横澤夏子

横澤夏子

東京オリンピックを新しい家族と一緒に

――めちゃコミ10周年にちなんで、横澤さんの10周年はどんなものにしたいですか?

私はいま芸歴7年目なので、あと3年で10周年。その2020年は東京オリンピックがありますね。「東京タラレバ娘」 (東村アキコ/講談社) みたいに、同年代くらいの友達みんなが「2020年のオリンピックを旦那さんや子どもと一緒に見るのが夢」と言って、あわくって婚活や子作りに励んでいるんですよ。

結婚について話す倫子(りんこ)と香(かおり)

結婚について話す倫子(りんこ)と香(かおり)

東京タラレバ娘
© 東村アキコ/講談社

確かに、一生の思い出になるような年なので、私も新しい家族を持って、素敵な奥さん、ママになっていたい願望はあります。

もちろん芸人としても頑張りたいと思ってます! 今から10年後だと37歳。私のお母さんが35~40歳くらいのときは、仕事も子育も何でもバリバリやって、乗りに乗っている女性だったので、私もそういう風になれたらいいなって。

  • 東京タラレバ娘
  • 「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子(りんこ)。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど……!? 東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する最新作!!
横澤夏子

横澤夏子

横澤夏子サイン色紙

ヒロインにどっぷりと感情移入して少女漫画を読むという横澤さん。漫画さながらの実生活も、キラキラしていて楽しそう! これからも持ち前の明るさで恋に仕事にまい進していってほしいです!

写真:下山展弘

プロフィール

横澤夏子(よこさわ なつこ)

1990年生まれ、新潟県糸魚川市出身。NSC東京校15期生。「女子のあるあるネタ」で一躍ブレイクし、各局のバラエティー番組で引っ張りだこのピン芸人。「R-1ぐらんぷり2017」では決勝進出を果たした。

◆横澤さん公式Twitter

https://twitter.com/45sawa72

◆吉本興業株式会社 横澤夏子 公式プロフィール

http://search.yoshimoto.co.jp/talent_prf/?id=3394

◆「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」開催!

4月20日(木)~23日(日)

http://oimf.jp/

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小山喜崇

小山喜崇

昼は編集者、夜はイラストレーターとして働く。好きな漫画は、吉田戦車や和田ラヂヲ、漫☆画太郎などのギャグ作品。

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