4.0
以前レンタルで読んだことがあり、今回数年ぶりに再読です。
カンナは誰を好きだったのか?
各所で討論?されていますが、
私は、カンナはハルタのことが好きだったに決まっている、と思っています。
しかし、ロクがカンナに、「そいつのことちゃんと好きになってやれなかったから後悔してるんだろ」と指摘されカンナが図星のような表情なので、多くの読者が、カンナはハルタを恋愛感情として好きではなかったと解釈しているし、これは作者いくえみさんの「皆んなが納得するような明確な終わり方にしない。何かしらのしこりを残す」ための策略?かなと思っています。
ただ、当時カンナはその気持ちに気づいていなかった。ハルタが亡くなった後に、本当は自分も好きだったのだと気付いたのだと思います。だから誰よりも後悔が大きいのです。だって本人が死んでから気付くなんて、もうどこにも自分の気持ちを持って行きようがないじゃないですか。ロクの「せめてちょっとでもそういうことになっていればあなたの気持ちはそこまで重くはないよね」というセリフは、せめて恋人同士になっていれば、ハルタが亡くなったとしてもこれほど長く引きずることはなかったはずだからです。
もちろん、解釈は読み手の自由だと思います。私なりの解釈です。
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