1.0
悪魔ではない、でも、正義でもない
このお話は、許しの物語なのだと感じました。消化不良に感じたり、断罪とか、分かりやすい報復とか復讐とかがなくて、恨み辛みも最後には昇華されるような。
それはそれで素晴らしい事ですし、この漫画の世界観やキャラの持つ宗教的な考えともあっているのだと思います。
ただ私は、これから先この本を読む事はありません。私が物語に求めるものが何一つ無かったと感じたからです。
共感や感情移入が出来なかった事。『正しい主人公達』を全肯定し、『間違ってる相手』として悔い改めていく人達。勿論私が読んでも最後までクズだなと感じる人もいましたが、それを咎め対立し、あっけなく互いを許してのハッピーエンド。
許しの物語であると同時に、許す事を強要する物語にも思えました。
悪魔と天使、善と悪。
主人公達は悪魔ではないけれど、決して天使でも善でもないのではないかと思います。
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