4.0
完結まで全部読みました。主題は家族を扱っていますが、「親と子」「きょうだい」というよりは「人と人」の心の寄り添いかたを描いてあるような印象を受けました。それぞれに様々な日常生活を背景に持った一人一人の人間が集まった集団である「家族」が、律の作る料理を通して一つになる様子を見ていると、やはり家族にとって一番大切なことは毎日一緒にご飯を食べることなのかなと考えさせられました。
同作家さんの「アリスとアマリリス」もすべて読みました。
多感な青少年たちが、微妙な心の変化を積み重ねてしっかりと芯の通った人間に成長していく様子を描くことがとても上手な素敵な作家さんだと思います。
個人的には妹の奏が、最初はわがままっ子だったのに素敵なお姉さんに成長していく様子がとても感慨深かったのと、マヤさんの人間としての成長に感動しました。あとはやっぱり、ルカが青年になっていく様子は親のような気持ちで見てしまいました。
早川家を包む優しい空気感が感じられてとても心地よい作品でした。あと、律の友人2人がいい味出していてとても好きでした。
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