パーフェクトワールド

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あらすじ

インテリア会社に就職した川奈(かわな)つぐみ(26歳)は建築会社との飲み会で、高校の時の同級生であり初恋の人・鮎川樹(あゆかわ・いつき)と再会する。樹にトキメキを覚えるつぐみだったが、彼は車いすに乗る障害者になっていた。「樹との恋愛は無理」。最初はそう思うつぐみだったが……。

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パーフェクトワールド のスタッフレビュー

ゆっきー

愛があれば乗り越えられる!? 障害者パートナーとのリアルな恋愛マンガ

ハンディキャップのある人を好きになったら…あなたならどうする?

インテリアデザイン会社で働く川奈つぐみは、取引先の建築事務所との飲み会で高校の同級生であり初恋の相手である鮎川樹(いつき)との再会を果たします。しかし幼い頃からの夢を叶えて一級建築士になっていた樹は、事故による脊髄損傷で車イス生活を余儀なくされていました。「障害がある人との恋愛は無理」と距離を置こうとするつぐみでしたが、バリアフリー建築に情熱をかける樹に徐々に惹かれていきます。そんなつぐみとは対照的に慎重になる樹と、樹を支え続けてきた若きヘルパーの長沢、そしてつぐみと樹の家族たち、それぞれの思いが交錯して…。

ハンディキャップのあるパートナーとの恋愛を、きめ細かい取材と描写力でリアルに描いた本作品。障害者に対してまだまだ開かれていない日本の社会に、一石を投じる有賀リエ先生の注目作です。

障害へのステレオタイプが一転する魅力的な主人公

重々しくなりがちな障害という難しいテーマを軸に、無理なく背伸びせず、丁寧に描いた恋愛物語。描かれることの少ないリアルなエピソード、例えば脊髄損傷者にはつきものの排泄コントロールの話や、麻痺して感じないはずの足に激痛が走る「幻肢通」の話などが随所に挟みこまれ、胸に刺さります。「好きな人を守ってあげられない」という障害を持つ側の悩みや葛藤、これまでの少女マンガでは触れられなかったテーマにも切り込んでいくストーリーは、丹念な取材と豊かな想像力の賜物です。

しかし、仕事にも一生懸命に打ち込む普通の女性が、「車イス生活のパートナーを支えることができるのか?」と悩むことも、「好きな人と一緒にいたい」と考えることも当然で自然な気持ち。そんな相反する揺れ動く気持ちを、きれいごとではなくゆっくりと悩みながら物語は進行します。

「障害を持つ人」=「弱者」というこれまでのステレオタイプを楽々と乗り越えてしまう、樹という主人公の魅力と才能が大きな見どころでもあるこの作品。きれいごとではなく「自分ならどうする?」と想像しながら、読み進んでみてはいかがでしょう?

2016/10/14 11:30

ユーザーレビュー

  1. 評価:5.000 5.0

    11人の方が「参考になった」と投票しています。

    難しいテーマではありますが、

    障がいを持った人を取り巻く様々な人間関係や日常をかなりリアルに描いてる作品だと思います。その中にもキラキラした恋や友情、ドロドロした感情のエッセンスも加わってて、とても読みごたえがありました。
    医療福祉の現場で働いている私も、働き出す前は障がいは受け入れ、乗り越えるものだと考え、そうできるように支援するんだと考えていました。またリハビリも一歩一歩前進していくイメージでした。
    しかしながら、実際の現場はそんなに単純な話ではなく、一進一退を繰り返し、自暴自棄になる人の姿も沢山見ました。なので、仕事もあり、友人もいて、想ってくれる女性がいる鮎川は幸せな方かもしれないですが、その幸せさえ、私たちがとやかく言えるものではないのでしょうね。
    鮎川の「障がいがあってよかっただなんて思ったことない。ないに越したことない」って言葉。胸に刺さった。そりゃそうですよね。望んで行き着いた場所じゃないけど、それでも進んで行くしかない現実。諦めることにも慣れ、理不尽にも慣れ、苦労して辿り着くベストじゃないけどベターな場所。
    障がいを理由に選べないことを減らすこと、障がいがあってもなくても努力が報われる社会であること、改めてそう願います。

  2. 評価:5.000 5.0

    10人の方が「参考になった」と投票しています。

    感動

    私は福祉関係の仕事に従事しているので車いすの人とも毎日触れあっています。
    今は昔に比べ車いすの性能も良くなり褥瘡対策がされてきています。もちろんベッドのマットレスも褥瘡対策として自動体位変換機能がついているものもあり、自分で寝返り出来ない人用に日々改良し、進歩しています。
    ただ、私たちは体のケアは出来ても心のケアは難しいことも良く知っています。
    日本はまだまだ障害者に対して優しい国とは言えないと思います。
    車いすで外出すると嫌でも周りの方の視線が気になります。
    視線に晒される本人はもっと嫌な気持ちだと思います。だからこの作品の主人公のように少しでも前に進もうとする姿は尊敬します。
    障害に負けずに頑張って、と言うのは簡単です。でも本当に頑張る為には健常者の皆さんの理解や協力が不可欠だということもこの作品を通しても理解してもらえたらと思います。

  3. 評価:5.000 5.0

    17人の方が「参考になった」と投票しています。

    再会した初恋の人は障害者になっていた

    ネタバレありのレビューです。表示する

    これだけで感動作とわかると思います。

    仕事関係の飲み会で再会した川奈と鮎川。鮎川は事故により車イスの生活になっていて…。初めは動揺していた川奈も昔よりさらに外見も中身も格好良くなっていた彼にまた惹かれはじめ、障害者になってから恋愛を諦めていた彼の心を開き、二人は付き合うことになります😆

    けれど、鮎川を思い一生懸命頑張るほど、恋人らしいことが何一つできないと鮎川の重荷になっていく。結局、周りからの反対とそれぞれを想う人の存在で二人は破局してしまいます。

    別れた後も、二人はその苦い経験を糧にして前に進んでいきます。そんな中、ある出来事をきっかけにまた同じ時を歩み出します💕

    『あなたさえいてくれたら、この世界は完璧なんだ』タイトルの意味も回収。一緒にいたいだけでは上手くいかないと学んだ二人、もう大きく崩れることはなく終盤に向かっていくことと思います。

    軽い気持ちで読みたい人にはオススメしませんが、重厚な感動作を読みたい人にはとてもオススメです😆

  4. 評価:5.000 5.0

    12人の方が「参考になった」と投票しています。

    号泣

    私の母は脊髄の病気で15年ほど車イス生活をしています。母は気丈に接してくれていたので当時中学生の私は何も考えずにその事実を受け入れられました。母本人としては今までできていたことができなくなり景色の全てがモノクロに見えていたこと、1年経ってようやくカラーになったことを以前話してくれました。
    今回この作品を読んで改めて母のことを理解することができました。褥瘡やトイレの問題、すぐ体調を崩してしまうこと、何度も何度も家族として向き合ってきたはずなのにちゃんと理解できていない自分を恥ずかしく思いました。涙で幾度か中断してしまいましたが、一気に読んでしまいました。今は結婚して離れて暮らす母に側にいられなくてごめんなさい、と今までありがとうを言うきっかけをくれたこの作品に心から感謝しています。
    ありがとうございました。

  5. 評価:5.000 5.0

    7人の方が「参考になった」と投票しています。

    障害者と健常者

    何でこんなに隔たりが起きるのか…

    皆同じ人なのに…

    そぉ言う私も中学生から高校生の終わりまで、障害者の施設にボランティアに通っていました。

    後天性の方も居れば、先天性の方もいて…車イスの方から、知的障害の方もいて…こんなに沢山障害の方が居るのに、町では見かけることが少ないなぁって漠然と思いながら2ヶ所の施設に5年ほど通っていました。

    半身不随の方と話したときに、言われた言葉が今でも忘れられない。

    「私たちは大変だね…不便だね…手伝おうか?って腐るほど言われて、外にいくのが…人と接触することが、不信感にしか思えないこともある。
    だから少しの事でも自分で出来ることまで取り上げられたくない、ボランティアって言葉で、甘やかさないで欲しい。」

    凄く自分の事してることがやましく思ったりもしましたが、自傷した方の本音はやっぱり怖いって事なんでしょうね…

    この話読みながら、社会復帰しながら頑張る事が出来てる方も勿論いても葛藤は続き、まだそこまで気持ちが前に進めない人も居ることを思い出しました。

    心理描写が凄く上手く描かれていて、繊細な内容なだけに涙無しでは読めません。

    一度読んでみて下さい。

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