5.0
軽妙かつ、本当の意味での骨太
15年以上前に夢中になって読んだ作品です。
小さな街金、月影ファイナンスの冴えない社員の春居さんと、謎多い凄腕マジシャン(魔術師)Dr.WHOOの2つの顔を持つ主人公。一言で言うなら、ミステリアスな正義の味方。物語が進むと、さらに別の顔も現れます。
理不尽な犯罪や悪徳事件を「債権」と呼び、主人公を取り巻く謎を紐解きながら、清々しいほど華麗に解決(回収)していく物語です。
前半はだいたい一話完結のオムニバスで、人間心理の妙も絶妙なスパイスで加わっています。話数が進むにつれ長編となり、政財界や国をまたいだ闇組織との確執が・・・。
少し古さを感じる絵柄や生活感でも、エンタテイメント性やアクション要素もふんだんにあって、正義とは何か?を考えさせられたり、とにかく、とにかく面白い!
長い作品ですが、息もつかせぬ終盤の展開にドキドキし、複雑な伏線を見事に回収するクロージングにじんわりきます。
ぜひ最後まで読んでほしい、目立たない名作です!
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