5.0
色褪せない
アラフォーの私が中高生の頃に夢中で読んだ作品です
ざっくり言うと前世で仲間だった7名の男女が転生し、ふとした切っ掛けで
自分以外にも転生した仲間達が居ると気付いて出逢い、会合を開き年表を作り始める…
その頃迄は皆が楽しんで昔を懐かしんでいたが、何故か高校生ばかりの集まりの中に、
前世では年齢差は無かった筈なのに小学生が一人混ざっている…その驚愕の理由は!?
彼が仲間達を恨むのは何故?前世では女性だった槐(エンジュ)だけが現世では性別が変わった理由は?
そして前世でのヒロイン木蓮の為に、そして地球の為に、彼女と心から愛し合った紫苑が死ぬ前に最後に取った行動は?
とにかく目が話せない、やめられない
単純に7名が現世と前世とで14名になる上に愛憎入り乱れ、他にも重要な役割を果たす人物が大勢出て来る
二度三度読んで漸くきちんと理解出来るかどうかと言った複雑さ
ストーリーは緻密に練られていて、何より心理描写の丁寧さが素晴らしい
各々の悩みや苦しみ、葛藤、憎しみ、哀しみ、後悔、そして愛情が生々しい程リアルに伝わって来る
読者の個性も色々だから、誰に感情移入して読むかで印象が変わると思うし、
10代の頃とアラフォーの現在ではやはり感想も違って来る
(昔は7名とは直接関わりは殆ど無かった超能力者が好きだったが、今は前世でヒロインしか目に入らない男を、自分の気持ちを知っていながら見て見ぬフリをする男を、現世でも一途に想い続けた女性が好き)
噛めば噛む程に味が染み出し、毎回味が変わる、そんな作品
最初の頃の絵は下手だけど、徐々に上手くなって行きます
当時は社会現象を巻き起こし、前世を夢に見て思い出すと言う設定のせいか
自分も彼等と一緒に過ごす夢を見る、自分も前世で彼等の仲間だったのではないかと言うファンレターが作者宛に殺到し、
『(言いたくなかったけど、ちょっと心配になる人も多いので)ぼく地球は フ ィ ク シ ョ ン です!!』と名言した程
当時は前世厨や電波と言った言葉は無かったけれど、まさしくそれ
まぁ、そういう人達を量産してしまう程にリアルな心理描写と練られまくった魅力的なストーリーと言う事で
ネタバレが過ぎるとこの話はつまらなくなるので、この程度しかお話し出来ないがご容赦頂きたい
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