5.0
説明する間でもない名作
アニメ映画から入って原作も読みましたがやはり良い作品ですね。
すず達のような一般市民は戦時中だろうが特別でも何でもない日常を生きている。それでもひとたび空襲を受ければ家は焼け、機銃掃射で命を狙われ、身近に転がってる地雷で大切な人や自分の右手が簡単に失くなる恐ろしさ。
月並みですが戦争はもう絶対しちゃいけないと再認識します。
それでもすずは周作が好きで一緒にいたいから、呉は自分の住む街だからと時間経過と共に心の整理がつく。その変化は劇的でも何でもなく、とても日常的です。そこが物凄く現実味を帯びていて好きです。
もし周作と結婚して呉にいなければ彼女もあの恐ろしい原爆によって一瞬のうちに消えていたかも知れません。そう考えると彼女の口にした「この世界の片隅にウチを見つけてくれてありがとう」は、色恋などでは片付けられないほど物凄く重い言葉でもあると思いました。
本当に色んな意味で、1人でも多くの人に読んでもらいたい作品です。
- 6