5.0
教育の一貫に採り入れてほしい
こちらのサイトではないですが、一気見で最後まで読了しました。
それだけの価値があります。
最初はオムニバス形式でストーリーは進み、後にISである一人の主人公の人生を追っていきます。
誕生の際にISと判断された子の性決定を迫られたご両親が、「ISは隠されるべきと認知されている」というお医者様の説明を受け、隠すような恥ずべきことではないと性決定をしない選択をする。
作中ではISを隠さない、理解を深めるために行動するシーンが多く見られますが、こちらは現実的ではないなと思いました。
性決定という大きな決断を子どもにさせることは、当人の権利を尊重しているようで親の無責任だと思うし際限のない自由は不自由だと感じました。
後ろめたいから隠すのではなく、セクシュアル的な偏見を受けないため公にしないということは悪いことではないと思ったので、その点は違和感がありました。
しかし、主人公の周囲の人間がISという存在を知り変わっていく様や、反対に理解が得られずにひどいじめにあうことから偏見の強さをリアルに描写していると思いました。
現実にセクシュアルマイノリティを抱える友人がいるため、私自身偏見はないと自負していましたが、無意識下で性別を分けていたことを知り衝撃でした。
最後に、タイトルになったIS(アイエス、作品ではインターセクシャル)という表現は、偏見の強い意味合いがあるとされ、現在は性分化疾患DSD(Disorder of S.e.x Development)と言うそうです。
作品の主人公は2つの性の間で性決定に悩むわけですが、実際のDSDは性自認がはっきりと分かれるケースがほとんどだそうです。
無意識化で知らないうちに人を傷つけてしまわないよう、絶えず視野を広げていきたいと思わせてくれた作品でした。
s.e.xと明記することが不適切だと判断されるため間にドットを入れています。
日本はいつになったら性について公に話せるようになるのかと、落胆しました。
これも強い偏見のひとつですね。
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