5.0
吉田秋生を初めて読むなら
この作品は、私にとっては吉田秋生作品の二作目でした。「河よりも長くゆるやかに」が吉田作品の初めて。当時中学生の私は、これもまた、まだ知り得ぬハイカラな青春群像劇だと、、。しかし、吉田秋生先生は、常に作品毎に読者を裏切るのです。高校が舞台でありながら、横溝正史作品のような人間の欲と、業深さに囚われた人々。救いのない醜い無限ループに現れた奇跡の美少女。読後は、ほっとしたようで、ただ哀しい。不思議な作品です。
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この作品は、私にとっては吉田秋生作品の二作目でした。「河よりも長くゆるやかに」が吉田作品の初めて。当時中学生の私は、これもまた、まだ知り得ぬハイカラな青春群像劇だと、、。しかし、吉田秋生先生は、常に作品毎に読者を裏切るのです。高校が舞台でありながら、横溝正史作品のような人間の欲と、業深さに囚われた人々。救いのない醜い無限ループに現れた奇跡の美少女。読後は、ほっとしたようで、ただ哀しい。不思議な作品です。
漫画持ってます。懐かしい。言葉遣いや大人びた高校生、設定等古くささは否めません。でも小夜子を取り巻く環境は厳しいものだけどそこに呑み込まれない強かさは、時代を越えて格好いいな。小夜子は絶望したことがあるかもしれないが、それを怒りに変えて女の弱味につけこむ男を逆につけこみ返してる所は脱帽。小夜子の勝利。そして勝利に悦に入ったりしない。凄みのある女性、好きだわ。
平和な高校生活に訪れた、あまりにも凄惨で人間の業の深さにじわじわと落ちていく様に、まるで映画を観ているかのように息もつかせず引き込まれていく。そして読み手全て涼のように…小夜子の危うさに気づきながらも、誘惑と流れに抗えぬまま終焉を迎える。最後の小夜子の涙が、ひとつの救いではあるけれど。小夜子の今後が気になりながら読み終えました。最初は10代の頃に読みましたが、今なお鮮烈な名作。
高校生たちの言葉遣いに時代を感じる…。ヒロインは超絶美人高校生の設定ですが、最初から怖すぎて能面か夜叉に見えてしまい、大人っぽすぎて高校生にも見えず、頭の中で変換しながら読みました。
彼女は魔性だけど悪女ではない、と思うのは私が女だから?彼女が奪われたものを思うと、生きて自分の足で立っているために必要な行動と思うと、全て納得できてしまう(だからって本当にやるかって所はありますが)。もしかしたら、かつて自らを守れなかった自分自身への怒りが原動力となって、退路を絶っているのかも知れません。立場の弱い女性キャラに優しい所が、救いを感じます。ある意味男前なヒロイン。
まだ女性の立場が今より弱かった時代、欲深くて横暴な男達に
小夜子が復讐していく様は痛快でした。
それにしてもスパッと耳を切り落としちゃう女子高生って!
叶家の人々、つまり小夜子の親姉妹のキャラがあまりに薄いのと、
小夜子がどんな家に預けられたのか等、描かれていない部分が多くて
物足りない感じがしました。
涼の親も本当に事故死だったのかな?
おもしろくて一気に読みましたが、続編があって欲しい作品でした。
小学生の頃、見てはいけないものを見るような気分でこの漫画を読みました。まだ高校生の小夜子に、大の男が次々と正気を失っていく様子は見応えたっぷり。エロを匂わせてハッキリと描かないのに、沸き立つ血の匂いまで感じる事ができる。これはもう吉田秋生先生の圧倒的な作家力!清と邪の強烈なコントラスト!
時代が古いから、今の子が読むと違和感あるのかな?
ストーリーは今読んでも引き込まれるものがあります。
実写ドラマ化しても面白いと思うなー
ドロドロが上手い韓ドラでやって欲しい感じ。
殺じんとか、色仕掛けとか、高校生が主人公とは思えないいろいろあるけど、読了感は清々しささえ感じます
主人公は、自分に仇なす者を周囲に疑念を懐かせず巧妙に破滅させていくけれど
いかんせん 彼ら彼女らは悪人であるから 読む者は、してやったりという思い。
暁の亡霊に捕らわれてしまった涼が助からないのが唯一惜しまれるが、これは致し方なく
読後感は、切ない中にも清々しい。
吉田秋生先生の作品はどれもちょっと異世界で非現実的な印象が強いです。この吉祥天女も子供の頃に読んでる時は何だかよくわからないけど、何となく手にとってしまう、そんなストーリーでした。今読み返しても、そんな感じですが、昔よりは奥の奥のお話の根幹なんかも見えてきて、それはそれで楽しんでます。
昔一度読んだとき、小夜子の怪しい魅力とそれにとりつかれる男たちとの攻防が酷く印象的でした。いま改めて読み返してみて、小夜子の強さ、気高さ、美しさには変わらず胸を打たれます。いつの時代も男は女を食い物にするのかも知れませんが、泣き寝入りせず戦う強さが必要なのだと、教えられた気がします。