5.0
最高傑作です!
吉田先生、このラストは最初から決めていたんですよね?過去のインタビューでは、2通りのラストを考えていたと仰ってましたが、もう一方のラストは選ばなかったはず。なぜならこのラストが一番美しいから。
もちろん、アッシュが生きて英二と幸せに暮らせたら、日本で平穏な生活を送れたら、と願わずにはいられません。
でも、「才能」を持ってしまったアッシュは、たとえゴルツィネが消えようとも、他の「権利」に利用されるか、命を狙われる運命がまっている。
ブランカが忠告したにも関わらず、破滅する人生を選んだアッシュ。だからこそ、英二からの手紙を読んで、英二の愛を知って、人生最高の幸せをかみしめながら最期を迎えられたアッシュは、幸せだったと思います。
やりきれないのは英二の方。
アッシュの死後、心にできた穴を埋められない。光の庭でも、その穴は埋められていないと思います。ただ、ちょっとだけ過去と向き合えるようになっただけ。
英二の気持ちを考えると、心が張り裂けそうになります。
読み返すごとにアッシュや英二、二人を取り巻く人々の気持ちが分かってきて、本当に素晴らしいストーリーだと思います。
読めば読むほど泣けてくる。こんな作品は初めてです。
この作品に出会えて良かった。この一言に尽きます。
- 40