4.0
分身
平成初期には、青年誌から週刊誌と、実に15本ほどの連載を抱えていた、超売れっ子であられた、柳沢先生。
その作品が、万人から常に大きな支持を得ていたかは別として、絶大な「今度は何を描くのか読みたい」と思わせる、不思議な魅力がありました。
その先生の、分身ともいえる「山形先生」が、けっこうな売れっ子作家であるにもかかわらず、諸事情から、都内の安アパートに住み、まだ若い隣人たちに、最高にうまいビールの飲み方から、この国の行く末、ダンディズムを説いていく姿は、先生が一番描きたかったのは、この作品だったのでは?と思わせるほどです。
先生の特徴として、一般人を「衆愚」というか、直接にはそういう表現はしないものの、ちょっと高みから「烏合の衆が…」とみているところがあり、また「役人批判」は、けっこう「ハズして」いるなという感じがします。
この「何様批判」なところから、「月とスッポン」からファンを続けていた読者が離れたとも一部では言われていますが、「係長」で、その多くを引き戻した先生の底力はさすがと思います。
連載当時は、はるか上の世代であったオッサンの先生が、今や同世代。
同じレベルで卓を囲む気持ちで、今一度、先生の哲学を仰いでみたいと思います。
星、マイナス1は、かなりスレスレスレのスレで、飲〇運転を容認すると捉えられかねない言動がたまにあり…
まずは、読んでみましょう。柳沢哲学!
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