5.0
1話完結だけど練られた話で満足でした
同じ作者の長編ラブロマンスものにはまったついでに、色々読んでいます。
そんな中で、この作品はたったの1話でしかないのに、よく練られたプロット、キャラ、ラストに満足しました。
絵柄は多少おぼつかない古い感じもしますが、その「こなれてない感」が、主人公をはじめとするキャラ達を妙にリアルなものにしています。(美男美女の話ではなく、そこらにいる普通の人の話)
最後の爽やかな安堵感の外で、留年や借金の問題を提示したのは、作者から読者への啓蒙活動だと捉えました。
1人の男に振られようが、理不尽に扱われようが、そいつだけが世界の全てではない。根こそぎもぎ取られるような無意味なお金と時間の浪費は辞めて、もっと多くの人と知り合って色んな価値を知ろう。
絶対値ではなく相対値で本質を見極められるようになるから。
ところで、この作者は本編の途中で「妄想小劇場」のシーンを挟みます。色んなマンガでそうされています。
私はそれが面白くて堪らず大好きです。思い出し笑い。
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