3.0
交換殺_人の是非
それぞれ人生に絶望し、殺したい相手がいる三人の女性たちがインターネット上で知り合い、交換殺_人を実行する話。
復讐モノというよりは、「こいつを殺さなければ自分の人生が駄目になる」というような相手をそれぞれ殺_すわけであって、このあたり、動機部分にはまずまず説得力があった。
復讐であれば、「復讐のためにそこまでやる?」という部分にリアリティーを与えるのが難しいのだが、本作はあくまで自分が生きるために、という位置なので。
ただまあ、プロット自体は平凡で、特別に退屈もしなかったけれど、盛り上がりもしなかった。
だいたい、この交換殺_人というのは、正直、どうなんだ、と思う。
縁もゆかりもない相手を殺_す以上、実行犯は疑われない、動機がある人間はその時間アリバイ完璧、となるから、警察の目をくらます、という意味では、不謹慎ながらお手軽な手段なのだろう。
しかし、強_盗とか保険金目当てならともかく、個人的に怨みがある相手を葬るのに、他人の手を汚す、というのは、いかがなものか。
私は主人公の女性三人に味方する立場で読みはしたけれど、人を殺して自らの人生を切り開かんとする以上、その相手の血で汚すのはやはり、自らの手であるべきではなかろうか、とは思った。
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