5.0
新しい吸血鬼物語・寄宿舎に花開く恋
もともと好きな作家さんではありましたが、ますます絵が美しく、また人物が魅力的になっていて、その優美な世界に終始うっとり…でした。
初めは、吸血鬼もの?昔からあるやつ?と思ったものの、今までの吸血鬼とは違う独自の設定で、まったく新しいラブストーリーになっていました。
自分を愛する人から愛情感情がMAXになったときに発せられる光り輝く「星の鱗粉」。それを目にすると、相手の血を吸わずにはいられなくなる吸血人類。むやみやたらに血を吸うのはご法度なので、できるならば星の鱗粉は見たくない。でも、愛した人からは愛されたい。愛し愛されたが故に相手を傷つけてしまうならば、愛とは一体なんなのか?…
そんな切なく不条理な設定のもと、惹かれあってしまった自信家で魅力的なヘッドボーイ(生徒会長)と、超優秀でクールなくせに大食いで、思ったことは率直に言う美少年。
過去から連綿と受け継がれてきた吸血人類の掟としがらみを前にして、一時は絶望し、苦しむ2人ですが…。
彼らがこの事態をどう切り抜け、乗り越えていくのか、またその先には何があるのか。
読み終わったとき、清々しい解放感と明るい光を感じるはずです。
- 9