あまりに物足りない
様々な悩みを抱えた人々が、占いをきっかけに前に進む、という筋の連作短編。
派手な破綻はないものの、あまりに薄味で、ちょっとびっくりしたほどだった。
だって、占いは本当に普通にタロット占いをしているだけで、感心するような示唆とか、ましてや特別な能力とか、何もない。
かといって、登場人物たちのドラマに深い何かがあるわけでもない。
私の前に何やら悩んでいる人が通りかかり、彼らは占いを受けて何となく上手いこといって、勝手に振り切ったり立ち直ったりして、去っていった。
極論すれば、それをただ眺めているだけの漫画であり、読んでいるうちに、私はいったい何をしているのだろう、という徒労感に襲われた。
まあ堅実っちゃ堅実だけど、いくら何でも物足りない。
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2.0