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漫画の難しさ
やろうとしてることは理解できます。
漫画とは、表現とは、創作とは難しいものだなと思います。
最初からスマホ閲覧を前提にしたデジタルコミック企画と思いますが、見易さとは、決して面白さや活きた演出とは同義ではないなあと感じさせられます。
線や表情、コマ割りは硬くてなかなか感情移入できません。
唐突に人物が動くため、遅いネット環境でコマ落ちしているアニメのような体感です。
一応、ホラーが描きたくて描いてる作家さんだなと思わせてくれるのが、異界で追いかけてくる異形のものの描写です。
どこかで見たなあと思う描写ではありますが、作中で唯一の不気味さがあります。
また、異界への扉が開き、吸い込まれていく描写はなかなか上手いと思います。
ホラー的なエッセンスをほんの一瞬ちゃんと魅せてくれたシーンです。
三家本礼に寄せた人物描画はたまにやたらリキ入ってますが、残念ながら作風やストーリーのリズムに馴染んでいないため、そこだけが浮いて見えます。
骨子、テーマは人の物欲ですが、なんで靴なんでしょうか?
単純にお金で良い気もしますが、クリア条件の道祖神と「供えモノ」の組み合わせがどうしても必須なのかな。
みぽちゃんが物欲に取り憑かれたギャルなら、もっとベタなギャル描写が欲しいところです。
キャラ造形、特にファッションがよくわからないものを着ていて、俗っぽさがうまく伝わりません。
歌舞伎町のホストみたいな彼氏にキャバ嬢みたいなギャルとかにしたら、わかりやすいのではないかなあ。
とにかく良い映画をたくさん観たりして、ストーリーテリングとはなにか、とか、脚本とはなにか、とかそういう意識で練り上げて描写をもう少し丁寧にしたら、まだ伸びる気はします。
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