5.0
どちら側の気持ちもわかる
氷河期の最後尾にあたる世代の自分は登場人物みんなの気持ちがわかって、頷きながら読んだ。
言いたいことがあるなら言えよという熱血気合い文化は暑苦しくて厳しいけど、互いの命を預けるような現場にはそうした信頼が欠かせない。その反面、多少の衝突や熱暴走なら受け入れられるあたたかさがある。あまり余計なことを考えない連中ならでは(笑)
一方、作業効率が気になる合理主義の若者は、みんなが助かるいいアイデアを持っている。にもかかわらず、感情の衝突すらムダだと切り捨て、意見を言わなくなってしまいがち。しかし非効率は気になるのでイライラするし、言ってもどうせ頭ごなしに否定するんだろとか、怒るだろうから言えねーんだよ!と思う。鈴木くんの場合は同級生どもから意見も聞かれず軽んじられることに合わせて生き抜いてきたから、なおさら言いにくいだろう。
これどっちもわかるんだよなーと。
今回は、以前だったら鈴木くんと相性最悪だっただろう溝口さんが、ダイのがんばりや社長の懐のでっかさのおかげもあってだいぶ素の弱い部分も見せるようになっていた。
周りで鈴木くんを受け止める土壌が育っていたのでホッとした。また、よくキレた鈴木くん!そうだぞ言ってやれw
仕事や私生活にも意外と役立つ場面が出て来るこのシリーズ、これからもみんなで成長する姿を読んでいきたい。
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