5.0
長くて重いレビューです。すみません。
普段から漫画にしても映像作品にしても、内容が重いであろう作品を見始めるのにかなり慎重になっています。
私は感受性が強すぎる上に自身の経験も伴い、心に影響を受けすぎてしまう一面があるからです。
既に書かれているレビューを読んで面白そうだと思い、読み始めて序盤は『これはかなり精神的にやられるかもしれないな…』と、少し後悔しました。
でも続きが気になる展開に、読む手は止められませんでした。
読み終えての感想は『悩んだけど、読んでよかった』
結末が好きだったと言う事もあり、終わり方が違ったら同じ事を言えるのかと聞かれたら100%の自信は持てないのですが…
作中でも触れられていましたが、小説などの物語は作られた物…フィクションだとしても、読み手は自身の体験と重ねて怒ったり泣いたり…そして救われる。
それと同様に、登場人物と心情を重ね、苦しくて悲しくて泣いて…でも救われました。それはそれは晴れやかな気持ちに。
設定自体はオメガバースで特異な筈なのに、それがまるでごく自然で当たり前であるように物語は進行します。
そして様々な登場人物の生い立ちや心情に、読み手はきっと自身の抱えているものや普段から感じている生きづらさ、人には知られたくない自身の弱さ等を重ねて、皆さん少なからず感情が揺さぶられるのではと思います。
あまり重すぎるレビューは書かないよう気をつけているのですが…完全に今作はやられました。
BLの枠に捉われず、たくさんの方に読んで欲しいなぁ…
ここに素敵な作品があるって叫びたい。
それぐらいに感動する作品でした。
- 7